AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の準々決勝が27日(現地)にサウジアラビアで行われ、悲願のアジア制覇を狙う川崎フロンターレが、アル・サッド(カタール)と対戦。川崎Fは2度のリードもその都度、追いつかれ、苦しめられて延長戦へ。そこでキャプテンの脇坂泰斗が決めて、クラブ史上初のベスト4進出を決めた。

上写真=マルシーニョが自らのゴールを喜ぶ。脇坂泰斗(右)は決勝点をマーク(写真◎J.LEAGUE)

■2025年4月27日(現地) ACLE準々決勝(@プリンス・アブドゥラー・アル・ファイサル・スタジアム)
川崎F 3-2(延長) アル・サッド
得点:(川)エリソン、マルシーニョ、脇坂泰斗
   (ア)パウロ・オタヴィオ、クラウジーニョ

準決勝はアル・ナスルと

画像: 21分、マルシーニョが俊足を生かして追加点!(写真◎J.LEAGUE)

21分、マルシーニョが俊足を生かして追加点!(写真◎J.LEAGUE)

 幕開けは最高だった。開始4分、川崎フロンターレが見事に先制してみせる。

 中盤で相手ボールを奪って山本悠樹がすかさず右へ、家長昭博が持ち運びながら、中央に走り込んでくるエリソンを待ってセンタリング。これを逆足の右足でダイレクトでたたき込み、鮮やかに先手を取った。

 ところがこの5分後、あっけなく同点に追いつかれてしまう。アル・サッドは左からパウロ・オタヴィオがアクラム・アフィフとのワンツーで抜けて角度のないところからそのままシュート。これがGK山口瑠伊の手を弾いてゴールに飛び込んだ。

 しばらくはアル・サッドに押し込まれるものの、慌てずに守って徐々にペースを整えた川崎Fがまたもリードする。21分、右からつないで左寄りの山本がループ気味のパスを裏へ。走り込んだマルシーニョが飛び出してくるGKメシャール・バルシャムより先に右足でつついたボールは、右ポストに当たって転がり込んだ。

 ここからはアル・サッドの時間が長くなり、カタール代表でも大エースであるアフィフのテクニックに困らされながらも、体力を温存しながらじっくり戦っていく。先制ゴールも決めて、最前線から果敢なプレスを仕掛けてきたエリソンに代えて、56分には山田新を投入。追加点を決めたマルシーニョも65分に下げて伊藤達哉を投入した。

 それでもなかなかチャンスが生まれずに押し込まれると、一瞬のスキを突かれてしまう。3バックから4バックに変えていたアルサッドに71分、一度奪ったボールを奪い返されて、左サイドからジオヴァニにドリブルで運ばれて中へ、アフィフ、ハサン・アルハイドスと2人がスルーし、逆サイドから入ってきたクラウジーニョに蹴り込まれた。

 疲れもあってお互いにペースダウンする中、82分にそれぞれ2人を交代。川崎Fは山本悠樹に代えて橘田健人、家長昭博に代えて瀬川祐輔を投入した。しかし、時間とともにどちらも足が止まり、試合はこのまま延長戦へ。

 ここでもアル・サッドがボールを動かし、川崎Fがカウンターのチャンスをうかがう構図は変わらず。すると98分にその時がきた。右サイド深くまで運び、一度は相手に奪われるもののパスミスを見逃さずに瀬川が拾って中へ、山田が落ち着いて小さく戻したところに走り込んでいたのが脇坂泰斗だ。右足でダイレクトで突き刺して、3度目のリードを奪った。

 このシュートで足がつった脇坂に代えて若手の成長株、大関友翔を投入。さらには延長後半開始のタイミングで佐々木旭に代えて同じ右サイドバックにファンウェルメスケルケン際を送り込んだ。

 アル・サッドには反撃の力は残されておらず、橘田がインターセプトで中盤を制圧するなど、川崎Fがこのまま試合をクローズ。大きな大きなベスト8の壁を、ついに破った。

 2つのゴールに絡んだ山本悠樹は落ち着いていた。

「難しいゲームでしたが、ここにいる選手、スタッフ、来ることができなかったメンバーを含めてチーム全員で一つ駒を進められたのはうれしく思います。
 ボールを握られる時間帯もありましたけど、相手の背後を狙えるところもあったし、落ち着いて攻撃すればチャンスは作れるという感覚がありました。チームで3点を取れたのは大きな収穫だと思います。
 歴史は一つ越えましたけど、優勝したわけでもなんでもないので、身を引き締めて勝っていけれうように準備していきたい」

 悲願のアジア王者へあと2つ。中2日で迎える準決勝は、クリスチアーノ・ロナウドを擁するアル・ナスル(サウジアラビア)と激突する。


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