AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ(GS)第5戦が29日、行われた。H組のヴァンフォーレ甲府はホームでメルボルン・シティ(オーストラリア)と対戦。激しいシーソーゲームとなったが、残り5分で甲府が追いつき、3−3のドローで決着。12月12日の最終節で決勝トーナメント進出をかけ、ブリーラムと対戦することになった。

上写真=前半終了間際に一時は勝ち越すゴールを決めた鳥海芳樹(写真は第4節のもの◎Getty Images)

■2023年11月29日 ACLグループステージ第5節・H組(@国立競技場)
甲府 3−3 メルボルン・C
得点:(甲)井上詩音、鳥海芳樹、宮崎純真
   (メ)カラム・タルボット、トルガイ・アルスラン、マリン・ヤコリシュ

追いつき追い越し、追いつかれ追いつく

 先制したのはアウェーに乗り込んだメルボルン・シティだった。

 開始5分、左サイド深くまで進入を許した甲府は、相手センターフォワードのマクラーレンのフリーランニングによってディフェンスラインも下げられる形になる。そこに右サイドバックのカラム・タルボットが攻め上がってきて、ボックスの内側にシュートを許す。相手の狙いにハマった。

 しかし、である。甲府もすぐさま反撃に出た。失点から3分後、井上詩音が同点ゴールを決める。敵陣やや右寄りの位置で得たFKの流れからだった。長谷川が蹴り入れたボールは相手にクリアされるが、中央やや左で拾った三浦が縦に持ち込み、クロスを供給。ゴール前で待っていた井上がヘッドを叩き込んだ。

 1点を返して縦への意識が高まった甲府は前半終了間際の44分、勝ち越しに成功する。井上のロングボールに対し、鳥海が相手と競り合いながらライン裏へ力強く走り込み、右足を伸ばしてシュート。ボールはGKの頭上を越えてネットに収まった。

 先制を許した甲府だったが、前半のうちに逆転。国立競技場×甲府=熱闘。そんな公式でも存在するかのように、今回の甲府のACLホームゲームを熱く激しい展開になった。

 後半も、1点を追加してさらにリードを広げたい甲府と何としても追いつきたいメルボルンが真っ向からぶつかり合った。すると徐々にボールを持つことに関して一枚上手のアウェーチームが徐々に押し込んでいく。そして59分のこと。ボックス右で味方のパスを受けたレオナテルがクロスを供給すると、対応した甲府の左サイドバック、三浦の右手にボールが当たった。

 VARの結果、PKの判定。これをメルボルンのアルスランが決め、試合は振り出しに戻った。その直後から勢いを得たのは同点に追いついたメルボルンの方だった。甲府のGK渋谷から三平に送られたロングボールはつながらず、メルボルンがカウンターを発動する。

 右にポジションと取るレオナテルがボールを引き取り、早いタイミングでボックス左へクロスを供給。そこにヤコリシュが抜群のタイミングで走り込み、右足を合わせた。甲府が逆転され、またもリードを許すことになったのだ。

 メルボルンの3点目が決まった瞬間、多くの甲府の選手たちが頭を垂れていた。ショックの大きさがその姿から窺い知れたが、甲府の選手はすぐにギアを入れ直す。相手ゴールを目指して縦へボールと人を送り込んでいった。

 1点リードしているメルボルンはやや受けに回ったか。甲府の選手たちの方が明らかに躍動していた。すると、85分、甲府が勢いをゴールにつなげてみせる。右サイドに開いたクリスティアーノが上げた対空時間の長いクロスを、宮崎がヘッド。相手のGKとDFが処理を迷う場所にボールが飛んだこともあって、宮崎だけが反応する形になった。

 同点に追いついて以降、甲府は再逆転を狙って攻めに攻めた。だが、試合はそのまま3−3で決着。この結果、甲府は次戦12月12日のグループステージ最終節、敵地でのブリーラム戦に決勝トーナメント進出をかけることになった。

▼出場メンバー
・甲府◎GK渋谷飛翔、DF関口正大、井上詩音、蓮川壮大、三浦颯太、MF林田滉也(63分:松本凪生)、中村亮太朗、鳥海芳樹(72分:宮崎純真)、三平和司(72分:飯島陸)、長谷川元希、FWピーター・ウタカ(63分:クリスティアーノ)


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