AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ(GS)第4節が7日、行われた。等々力競技場では川崎フロンターレとパトゥム・ユナイテッド(タイ)が対戦。粘る相手を振り切って4連勝を飾り、GS突破へ大きく前進した。

上写真=PKで2ゴールを決めた脇坂泰斗(写真◎Getty. Images)

■2023年11月7日 ACLグループステージ第4節・I組(@等々力)
川崎F 4−2 パトゥムU
得点:(川)脇坂泰斗2、山村和也、宮代大聖
   (パ)チャナティップ2

こういう試合をしていては…(脇坂)

 序盤は川崎Fが優勢に試合を進めた。5−4−1で守るパトゥムUに対してボールを握り、攻撃を仕掛けていった。フィニッシュゾーンでは相手のタイトな守りに遭ったが、16分、PKによってスコアを動かす。

 左CB山村からのロングパスを左サイドで受けたマルシーニョがトラップしながらパトゥムUの右ウイングバック、ライハン・スチュワートと入れ替わる。そのままボックス内に進入すると、ボールを素早くつついて右CBのコナパット・ブアファンのファウルを誘った。

 このPKを脇坂がきっちり蹴り込み、川崎Fが先制。ショートパスだけではなく、ロングパスも織り交ぜた攻めで相手の守備網を破る狙いが早速、ゴールにつながった。

 その後も川崎Fペースで試合が進むかに思われたが、あり得ないミスによって試合は振り出しに戻ることになった。33分。左サイドバックの登里からのバックパスを受けたGKチョン・ソンリョンがパスをミスしてしまう。インサイドキックで蹴り出したボールは、今年6月に川崎FからパトゥムUに移籍したかつてのチームメイト、チャナティップへダイレクトに届く。慌てて川崎Fの選手たちがシュートコースを消しにかかったが、チャナティップはタイミングを外してコントロールしたボールを蹴り、見事にネットを揺らしてみせた。

 前半終了まで残り15分あまり時間があったが、ここからさらに2度、ネットが揺れることになった。しかもそれぞれがゴールを重ねる。

 40分、またもPKによって川崎Fがゴールを奪った。マルシーニョが相手最終ラインと駆け引きするレアンドロ・ダミアンへ縦パスを送ると、川崎Fのナンバー9はトラップしながら前に出てシュート体制に入った。そしてワッタナコーン・サワトラコーンに倒される。再び脇坂がキッカーを務め、左下に蹴り込んで自身2点目を記録した。

 直後の41分、今度はパトゥムUが再度、同点に追いつく2点目を挙げる。自陣左サイドで家長がパスをミスしてボールをロスト。ワッタナコーン、ダニーロ・アウベスとつながったボールを受け取ったチャナティップがボックス外から右足を一閃。ジェジエウに当たってコースが変わり、ゴールに吸い込まれた。

 2−2で迎えた後半、勝負を決める勝ち越しゴールを手にしたのは川崎Fだった。57分に瀬古に対する危険なプレーでアルバレスが退場となり、1人多い状態となった後、60分には山根のパスをポケットで受けた家長がクロスを供給し、走り込んだマルシウーニョがヘッドでネットを揺らした。しかしこれはVARにより家長がオフサイドと判定され、ノーゴール。ならばとばかりに68分に正真正銘の勝ちゴールをつかみ取る。左CKの場面。脇坂の蹴ったボールを山村がマーカーよりも前に出てヘディングした。

 アディショナルタイムの90+5分には山根のクロスに走り込んだ宮代がスライディングしながら右足を合わせてダメ押し。川崎Fが苦しみながらも打ち合いを制し、ホームで勝利をつかんだ。

「入り自体は悪くなかったが、得点後、軽いプレーが多かった。自分たちから試合を難しくしたが、後半、気持ちを入れ替えてやれたのはよかった。選手の頑張りだと思います」

 鬼木逹監督は、得点後のプレーについて反省を口にした。

「勝てたからよかったが、上にいってこういう試合をしていると勝ちきれない。一人ひとりもそうですがチームとして反省したい。今日のような試合がないように練習から取り組んでいく必要がある」

 マン・オブ・ザ・マッチの脇坂も内容には反省しきり。さらに上に行くため、続けて結果を出していくための課題を口にした。

 内容面は満足いくものではなかったものの、川崎Fは無傷の4連勝。ネクストステージ進出へ大きく前進した。

▼出場メンバー
・川崎F◎GKチョン・ソンリョン、DF山根視来、ジェジエウ、山村和也、登里享平、MF脇坂泰斗(90+5分:瀬川祐輔)、橘田健人、瀬古樹(84分:ジョアン・シミッチ)、FW家長昭博(76分:宮代大聖)、レアンドロ・ダミアン(76分:バフェティンビ・ゴミス)、マルシーニョ(84分:小林悠)


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