上写真=ジーコ氏は広島の平和記念公園を訪れた(写真◎ZAGH制作委員会提供)
「日本人の力が素晴らしい」
このチャリティマッチは、ジーコ⽒と長男のジュニオール⽒が代表を務め、「Jogo Das Estrelas」として、毎年1回ブラジル国内にて世界平和を願って開催されてきた。そのなかで今回、国外初の広島開催が決定。元ブラジル代表のスターFWロナウジーニョ氏の参戦もサプライズで発表され、来日が決まった。
ジーコ氏はこの日、イベントの一環で平和記念資料館を訪問。施設見学や、平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑へ献花した。
「資料館を訪問して、当時の痛み悲しみ、家族含めて日本全国が痛みに囲まれたと思うけど、素晴らしい日本に作り直して、素晴らしい広島に立て直し、やっぱり日本は凄いと思った。もちろん数年前にも広島を訪問したことがあるけれど、選手としても違う意味合いで来ていた。今回はセレモニーとしてもっと日本人を尊敬できた。これだけ立て直せる、日本人の力が素晴らしい」
2回目の資料館訪問で新たにした心境を、こう話した。
チャリティマッチへの思いもまた深めた。ジーコ氏は18歳から社会貢献活動に関わっている。来年は被ばく80年でもあり、日本とブラジルの外交関係樹立130周年、チャリティマッチ20周年という節目。「次世代に残していく、人助けというメッセージを残していく。皆さんに伝えていきたい」と強い気持ちを訴えた。
世界ではいまもなお、戦争で苦しむ人たちがいる。
「本当はこんなつながっている世界なのに、まだ(戦争が)続いているのが信じられない。サッカーというもので、幸せ、笑顔、皆さんへの良いことを発信していきたい。サッカーで、チャリティイベントで全世界に発信していきたい。スタジアムの名が最も合っている」
“ピースウイング”で開催されることにも、ジーコ氏の平和へのメッセージが込められていた。
また、ロナウジーニョの参加もビッグニュース。ジーコ氏が節目に超豪華ゲストを招待した。
「ビックスターを呼んで平和のメッセージを発信していく。この20年間、ロナウジーニョは来てくれていなかったので、今回は参戦してもらって、日本で、皆さんの期待を裏切らないように選手を決めて招待していきたい」
ジーコ氏はほかにも、広島市の松井一實市長に「オファー」。市長が会長を務める平和首長会議の副会長都市である英国・マンチェスター市との関係性から、マンチェスターOB招待を依頼したという。
松井市長は策を練る。
「どういう関係でアプローチしようかと思って。まず行政から攻めて、マンチェスター・ユナイテッドに言って、どうか……と。平和を愛する人々がいるところに。とにかくいろいろな関係者に当たって、こちらに来たくなるような作戦を考えないとあかんな、と思っているところです」
ユナイテッドOBの参戦も視野に入れていることを明かしていた。
素晴らしいメンバーで平和の祭典を開催できるのが、いまから待ち遠しい。