上写真=8日、U-21代表候補の鈴木唯人がオンラインで取材に応じた(写真◎スクリーンショット)
何かを特別に変えたわけではない
鈴木唯人はJリーグ開幕前、今年1月に国内組で編成された日本代表の合宿に参加した。自身にとっては初めてのA代表。「国内組だけでしたけど、トップレベルを人たちがいる中で色々な刺激を受けた」と振り返る。刺激を受け、「すべてで向上しないと」と自覚して臨んだリーグ戦では開幕からの3試合すべてに先発フル出場。2ゴールを刻んでいる。昨季、33試合に出場し(先発25試合)、同じ2得点だったことを考えると、はた目には大きな変化を遂げているようにも映る。
だが本人は、「特別何かを変えたというところはない」と話す。ただ一方で、「サッカーに対する気持ちの部分やより自信を持ってやるというところは、少なからず去年からは変わっているかなと思います」と、メンタル面や取り組む姿勢の変化について言及した。
「特別、技術がガンと上がったわけでもないですし、シュートの能力が上がったかと言われると、自分自身はそこまで言えない。ただ今年は、シーズン始まるときにケガ人も多くて、本当に自分がやらなければならないという状況でもありました。初めて代表にも参加させてもらって、ある意味、やらなければならないという状況になってくれたおかげで自信をもって最初から入れた。それが結果につながったと思います」
言わば、必要に迫られた。状況が、鈴木の成長を促したのだ。
「スタンスは変えずに、チームを勝たせることを常に思いながらプレーすることが大事なんだと感じています」
チームを背負う自覚が結果になって表れているということだ。
今回の合宿は2024年のパリ五輪を目指すチームの始動でもあるが、鈴木は自身の目指すところについて「オリンピックを目指してオリンピック代表に入るのではなく、A代表に入りながらオリンピックに出るというところが、一番、自分たちが目指すところで大事だと思っています」とよりレベルの高い場所を求めると説明。それは大岩剛監督が選手に要求する心構えでもある。
A代表の合宿で刺激を受け、クラブでは取り巻く状況が変わり、覚悟を胸にシーズンに臨み、期待に応えている。
2022年は鈴木唯人が長足を進歩を遂げる、そんな1年になるかもしれない。