上写真=ブラジルがスペインを延長戦後半に振り切って2-1で優勝!(写真◎Getty Images)
■2021年8月7日 サッカー男子決勝(@横浜国際総合競技場)
ブラジル 2-1(延長)スペイン
得点者:(ブ)マテウス・クニャ、マウコム
(ス)ミケル・オヤルサバル
・ブラジルメンバー:GKサントス、DFギリェルメ・アラナ、ジエゴ・カルロス、ニノ、ダニ・アウベス、MFドウグラスルイス、ブルーノ・ギマランエス、アントニ(112分、ガブリエル・メニノ)、クラウディオ(106分、レイニエル)、FWマテウス・クニャ(91分、マウコム)、リシャルリソン(114分、パウリニョ)
・スペインメンバー:GKウナイ・シモン、DFオスカル・ヒル(91分、フアン・ミランダ)、エリク・ガルシア、パウ・トレス、マルク・ククレリャ(91分、ヘスス・バリェホ)、MFマルティン・スビメンディ(112分、ホン・モンカヨラ)、ミケル・メリノ(46分、カルロス・ソレル)、ペドリ・ゴンサレス、FWマルコ・アセンシオ(46分、ブライアン・ヒル)、ミケル・オヤルサバル(104分、ラファ・ミル)、ダニ・オルモ
スペインは美しい同点ゴールも…
ブラジルに「YOKOHAMAの歓喜」が再び訪れた。
東京オリンピックでサッカー競技の最後の試合となる、男子決勝。ブラジルとスペインが激突した決戦の会場となった横浜国際総合競技場は、2002年ワールドカップでブラジルがドイツを破って世界一になった場所。その同じスタジアムで、19年後に再びブラジルが世界の頂点に立った。
前半はブラジル優勢のまま進んでいったが、絶好機も逃している。VARチェックによるオンフィールドレビューの結果、与えられた38分のPKは、リシャルリソンが蹴り上げてまさかの失敗。
そんな嫌な空気を吹き飛ばしたのは、マテウス・クニャだった。
前半のアディショナルタイムに入った45+2分、左からクラウディオから送ったインスイングのクロスはゴールラインを割るかと思われたが、あきらめずに走り込んだダニ・アウベスが右足を高く伸ばしてボールに触ると、ゴール前へ跳ね上がる。処理にもたつくDFの間でマテウス・クニャの体に当たり、これが目の前に転がる最高のトラップになって、GKと1対1に。右足で冷静にゴール右に蹴り込んだ。
前半はブラジルの高い技術になかなかボールを保持できなかったスペインだが、後半は立場を逆にした。2人を交代させてテンポを上げると、スペインらしさを取り戻してじっくりとボールを動かしていって、ブラジルの選手たちを自陣に釘付けにした。
それが実ったのは61分だった。後半から入っていたカルロス・ソレルが右サイドを走り抜けて縦パスを受けると、ワンタッチでファーへ。走り込んでいたミケル・オヤルサバルが鮮やかなスライディングボレーシュートを突き刺して、見事なパスワークでついに同点に追いついた。
これで勢いを増したスペインが、そのまま後半を支配していく。ブライアン・ヒルが放った強烈なミドルシュートがバーに弾かれた88分のシーンなど、じわじわと迫るが、1-1のスコアからは動かずに延長戦へ。
延長戦に入ると引き締め直したブラジルが、またも攻勢に出る。特に、延長戦から入ったマウコムの迫力あるドリブルを生かした攻撃で左サイドから押し込んでいった。その圧力がじわりじわりと効いていき、ついに延長後半の108分に歓喜の瞬間が訪れた。
自陣右サイドからアントニが逆サイドへ一気にロングパス。全速力で抜け出したマウコムが相手DFの前に体をねじ込んで突破すると、左足でていねいに右スミのコースを狙った。ボールはGKウナイ・シモンの伸ばした左足に当たったが、シュートの勢いが勝ってそのままゴールに転がり込んだ。
スペインの最後の攻撃もブラジルが守りきって、ついに2-1で試合終了。ブラジルが前回のリオ・デ・ジャネイロ大会に続く連続優勝を果たし、選手もスタッフも一緒になって歓喜の歌を歌い続けた。
ブラジル優勝の軌跡
【グループD】
7月22日 ○4-2ドイツ(得点者=リシャルリソン3、パウリーニョ)
7月25日 △0-0コートジボワール
7月28日 ○3-1サウジアラビア(得点者=マテウス・クニャ、リシャルリソン2)
※2勝1分け、7得点3失点、勝ち点7で1位で決勝トーナメント進出
【準々決勝】
7月31日 ○1-0エジプト(得点者=マテウス・クニャ)
【準決勝】
8月3日 ○0-0(4PK1)メキシコ
【決勝】
8月7日 ○2-1(延長)スペイン(得点者=マテウス・クニャ、マウコム)