サッカー男子は7月31日に準々決勝を迎えた。宮城スタジアムではグループCの1位スペインが、グループD2位のコートジボワールの挑戦を受ける構図。1-1で迎えたアディショナルタイムにコートジボワールが決めて勝ったかと思ったが、直後にスペインが同点に追いつく白熱の展開になった。最後は延長戦で3得点を集めたスペインが振り切って、準決勝進出を決めた。

上写真=逆転弾となるPKをミケル・オヤルサバルが冷静に決めて、スペインが逃げ切った(写真◎Getty Images)

■2021年7月31日 サッカー男子準々決勝(@宮城スタジアム)
スペイン 5-2(延長)コートジボワール
得点者:(ス)ダニ・オルモ、ミケル・オヤルサバル、ラファ・ミル3
    (コ)エリク・ベイリ、マックス・グラデル

・スペインメンバー:GKウナイ・シモン、DFオスカル・ミンゲサ(10分、ヘスス・バリェホ)、エリク・ガルシア、パウ・トレス、フアン・ミランダ(105分、マルク・ククレリャ)、MFミケル・メリノ(90+2分、ラファ・ミル)、マルティン・スビメンディ(105分、ホン・モンカヨラ)、ペドリ・ゴンサレス(102分、カルロス・ソレル)、FWマルコ・アセンシオ(67分、ブライアン・ヒル)、ミケル・オヤルサバル、ダニ・オルモ
・コートジボワールメンバー:GKエリザ・イラ、DFウィルフリード・シンゴ、エリク・ベイリ、クワディオイブ・ダビラ、イスマエル・ディアロ、MFエブエ・クアシ(114分、コッフィ・クアオ)、フランク・ケシー、シェイック・ティミテ(62分、アマド・ディアロ)、マックス・グラデル、FWユスフ・ダオ、クリスチャン・クアメ(90分、アブドゥル・ケイタ)

交代で入ったミルがハットトリック

 壮絶な120分だった。スペインが一度は敗退を目前にしながら生き返り、大逆転でベスト4のきっぷをもぎ取った。

 スペインにとっては、アクシデントからのスタートになった。10分に右サイドバックのオスカル・ミンゲサが筋肉系のトラブルで交代。その直後の最初のプレーで、CKをコートジボワールのエリク・ベイリに押し込まれて先制されてしまう。

 だが、圧倒的にボールを支配するいつものスタイルに持ち込んだスペインが、落ち着いてゲームを進めた。30分にはミケル・メリノが右からファーサイドへクロス、これは短くなって相手が先に触るのだが、胸トラップでGKに戻すのを読み切っていたダニ・オルモがGKに渡る直前に右足のつま先で蹴り込んで、同点とした。42分のミケル・オヤルサバルのゴールはVARでオフサイドとなって取り消されたが、主導権は握り続けた。

 後半に入ると開始から一気にコートジボワールがスピードとパワーで攻め込むが得点には至らず、徐々にスペインがペースを取り返す。しかし、スペインもチャンスに決めきれない悪い癖が出て、1-1のまま時間ばかりが過ぎていった。

 だが、ドラマは待っていた。90+1分にコートジボワールのマックス・グラデルが左サイドから進入して左足を思い切り振り抜き、ゴールにたたき込んでついに突き放したのだ。アディショナルタイムは5分の掲示だ。残りは4分。

 しかし、ここで完結しなかった。この直後、スペインはFWラファ・ミルを投入すると、その1分後には右クロスから相手がクリアしきれないところで、そのミルが競り合ってこぼれたところを左足で思い切り蹴り込んで、あっという間に同点とした。コートジボワールは天国から地獄、スペインは地獄からの生還。

 そして、天国へ。延長戦前半開始直後に左CKから中央で競り合ったところで、コートジボワールにハンドがあったとしてVARが介入。主審のオンフィールドレビューを経てスペインにPKが与えられた。98分にこれをミケル・オヤルサバルが冷静に決めて、3-2とした。さらには117分にまたもミルが右サイドの角度のないところから豪快にねじ込むと、120+1分にもミルが右からのオヤルサバルの折り返しをワンタッチで流し込んで、ハットトリックを達成。5-2で最後に振り切った。

 コートジボワールは勝利目前からのまさかの敗退、スペインは命拾いしてベスト4へ。120分の激闘でどちらも最後の最後まで気力を振り絞った。


This article is a sponsored article by
''.