東京五輪世代の国内組による『U-23日本代表候補トレーニングキャンプ』は2日目を終えた。同合宿でチームをけん引するのは1月のAFC U-23選手権でもキャプテンマークを巻いた渡辺剛だ。若きリーダーがオンラインで取材に応じた。

上写真=23日の午前練習後、森保一監督とグラウンドで会話していた渡辺剛(写真◎サッカーマガジン)

自分のサッカー人生にいい影響を与えた

 CBとしてのプレーはもちろん、渡辺にはリーダーシップも期待されている。23日の練習後には、森保一監督と話し込む姿が見られた。

「森保監督が自分に対してどう思っているかと、今年1年、リーグ戦をやってきて、どうだったかっていう話をしました。自分自身、去年と違う立場で1年間やってきたので、そういう意味ではいろんな経験ができましたという話をしました」

 渡辺にとって2020年は大きく成長する1年になった。所属するFC東京ではキャプテンの東慶悟がケガにより約4カ月間、戦列を離れることになった。その間は、副キャプテンである渡辺がキャプテンマークを巻き、プレーした。

「技術面もそうですけど、精神的に成長した1年だったのかなと思います。チームが良くない状況で自分が何をできるかいろいろ考えたり、自分のプレーをもっともっと向上させていかないとチームが勝てないなと感じた1年でした。精神的にはすごく強くなったと思います」

 1月のU-23アジア選手権でもキャンテンマークを巻いてプレー。しかしながら同大会ではグループステージ敗退という屈辱を味わった。あの悔しさは忘れていない。

「あの経験はすごく自分に生きていると思っています。勝たないといけない試合で勝てなかった、勝ち上がれなかったのは自分たちの力不足、自分の力不足も感じた大会でした。そういう意味では少しでも自分の力を付けてこの代表に向かわないといけないと思っていました。1年間活動はなかったですけど、あの経験が今年のリーグ戦だったり、自分のサッカー人生にいい意味で、影響を与えたと思っています」

 FC東京でACLに出場し、1年前とは違うタフさを身に付けた。本大会が1年延期されたことで当初は難しさを感じたが、準備する時間に充てられると今はポジティブだ。

「自分自身、今年の開催に準備していて、そこに向けてやってきていたので、1年延びて難しいと思ったんですけど、(1月の)アジア予選をやって自分自身、精神的にも技術的にもオリンピックで活躍できるものはないと思っていた。その期間が延びたのはレベルアップする期間になったし、いろんな経験をする機会があったので、個の力がアップして集まれるいい時間というか、1年長くなって、他の国もそうですけど、自分たちも個が強くなって集まれる。組織としてもっと強くなれると思っています」

 競争を勝ち抜き、メンバー入りして本大会へ。当然ながら今回の合宿にも全力で臨む。渡辺はこの5日間に、磨いてきた技術、積み重ねてきた経験、そのすべてを注いでいる。


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