上写真=左から染野唯月、西川潤、関川郁万(写真◎サッカーマガジン)
大会スタートから100年
2017年12月30日から1月8日にかけて行なわれた第96回大会。通算回数こそ96回だが、戦争などで中止になった大会をカウントしていないため、全身の日本フートボール大会が始まってから(1918年1月)ちょうど100年を迎えた。その記念すべき大会で王者に輝いたのは前橋育英(群馬)。21回目の出場にして初優勝を果たし、群馬県勢としても初めての栄光を手にした。
平成最後の大会となった第97回大会(18年度)は、青森山田(青森)が2年ぶり2度目の全国制覇を達成。黒田剛監督の指導、体制作りが実を結び、群雄割拠の時代に新しい名門が生まれたことを印象づけた。なお監督として複数優勝を成し遂げたのは、第83回大会の鹿児島実業(鹿児島)の故松澤隆司監督以来のことだった。
令和になって最初の第98回大会(19年度)は、多くの好チームが大会を沸かせ、青森山田と静岡学園(静岡)の決勝も大会史に残る名勝負となった。下馬評では同年のプレミアリーグ王者の青森山田が圧倒的有利。その予想どおり、早い時間に青森山田が2点を奪ったが、前半アディショナルタイムに静岡学園が1点を返すと、後半は猛反撃を展開して3-2と逆転。個人技にこだわる「静学サッカー」を最後まで貫き、大輪の花を咲かせた。
◆安藤瑞季
安藤瑞季(あんどう・みずき)◎1999年7月19日生まれ。第95、96回(16、17年度)選手権に出場。2年時に大会優秀選手に選出され、プロ内定選手として注目された3年時は出場全試合でゴールを記録。抜群の身体能力で徹底マークを弾き飛ばした。卒業後はセレッソ大阪に加入し、今年3月から期限付き移籍でFC町田ゼルビアに加わった
◆関川郁万
関川郁万(せきがわ・いくま)◎2000年9月13日生まれ。第96、97(17、18年度)選手権に出場。高校生離れしたフィジカルで相手FWを封じ込み、セットプレーでは豪快なヘッドで得点をマーク。「1人で守って1人で点を取る」と言い放ち、選手権のピッチで有言実行した。プロ2年目の今季、リーグ開幕戦でJ1デビュー
◆檀崎竜孔
檀崎竜孔(だんざき・りく)◎2000年5月31日生まれ。第95、96、97(16、17、18年度)選手権に出場。3年時は10番を背負い、攻撃の柱として活躍。選手権では厳しいマークを受けて苦しんだが、流通経済大柏との決勝では2得点を奪い、全国制覇に大きく貢献した。北海道コンサドーレ札幌では1年目からルヴァン杯で出場機会をつかみ、プロ初ゴールも記録
◆鈴木冬一
鈴木冬一(すずき・といち)◎2000年5月30日生まれ。第97回(18年度)選手権に出場。セレッソ大阪U-18時代には2種登録選手としてJ3にも出場したが、さらなる成長を求めて長崎総科大附高に転入。「最初で最後の選手権」では力強いプレーでチームをけん引し、得点も記録した。卒業後は湘南ベルマーレに加入し、1年目から主力として活躍している
◆染野唯月
染野唯月(そめの・いつき)2001年9月12日生まれ。第97回(18年度)選手権に出場。中学時代は守備的MFだったが、尚志高の仲村浩二監督にFWへコンバートされると、年代別代表に選出されるまでに成長。2年時の選手権でブレイクし、青森山田との準決勝でハットトリックを達成した。今季、鹿島アントラーズに加入し、7月4日の川崎フロンターレ戦でJ1デビューを飾る