上写真=ガンバ大阪は攻撃サッカーでアジアを制した(写真◎サッカーマガジン)
クラブW杯で赤い悪魔と打ち合う
前年の浦和レッズに続き、ガンバ大阪がAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で優勝した。グループステージを首位で突破すると、準々決勝もアル・カラーマ(シリア)に連勝して勝ち上がる。前回王者・浦和レッズとの準決勝は、第1戦のホームで1-1と引き分けながらも第2戦のアウェーで3-1と完勝。迎えた決勝でもオーストラリアのアデレード・ユナイテッドに連勝し、アジア制覇を成し遂げた。アウェーゲームも守りに入らず、信条とする攻撃サッカーを貫いて勝ち取った優勝は、大きな評価を得ることになった。
さらに、この優勝で出場権をつかんだFIFAクラブワールドカップ(CWC)でも、その攻撃力を示している。準決勝のマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)戦では、2点ビハインドで迎えた残り15分から3得点。最終的に3-5で敗れることになったが、世界的な強豪チームと真っ向から打ち合い、大きなインパクトを残した。その後のパチューカとの3位決定戦は山崎雅人の得点で1-0の勝利。世界3位で大会を終えている。さらにG大阪は、このCWC後の勢いを継続し、8日後に行なわれた天皇杯準決勝で横浜F・マリノスを延長戦の末に下して決勝に進出。その3日後の決勝でも柏レイソルを延長の末に下して、優勝。過密日程を乗り越え、シーズンを笑顔で締めくくった。
2008年は北京オリンピックが開催された年でもある。本田圭佑や香川真司、岡崎慎司、長友佑都、内田篤人、吉田麻也らが名を連ね、好成績を期待された男子は、アメリカ、ナイジェリア、オランダに敗れ、3戦全敗で大会を去ることになった。
一方で女子は好結果を残している。澤穂希、宮間あや、大野忍、永里優季らタレントをそろえ、2月の東アジア選手権で初優勝を果たした実力を五輪の舞台でも証明。アメリカ、ノルウェー、ニュージーランドと同居したグループを3位で抜けると、準々決勝では開催国の中国に2-0と完勝。初めて準決勝に進出した。アメリカに敗れ、3位決定戦もドイツに及ばず4位に終わったが、メダル獲得にあと一歩に迫った。
■平成20年度の主な出来事(2008年シーズン)
・1月1月 長谷部誠がボルフスブルク(ドイツ)へ移籍
・1月16日 本田圭佑がVVVフェンロ(オランダ)に移籍
・1月26日 第二次岡田体制の初戦で、日本はチリと引き分け
・2月3日 名古屋オーシャンズがFリーグ初代王者に
・2月24日 東アジア選手権で日本男子は韓国に次いで準優勝。女子は国際大会で初優勝を飾る
・3月1日 ゼロックス杯は広島が鹿島を下して優勝
・3月8日 Jリーグ開幕
・7月12日 日本サッカー協会会長に前浦和社長の犬飼基昭氏が就任
・7月12日 北京五輪代表メンバー発表。OA枠は活用せず
・7月31日 第1回スルガ銀行チャンピオンシップが開催され、G大阪が出場するもアルセナル(アルゼンチン)に敗戦
・8月2日 JリーグとKリーグの選抜チームで行なわれるオールスターゲーム、JOMOカップ2008が開催される
・8月4日 インターハイは雷雨のため決勝が中止となり、流経大柏高と市立船橋高の両校優勝に
・8月13日 北京五輪で男子はグループステージ敗退
・8月21日 北京五輪、なでしこジャパンは3位決定戦でドイツに敗れ、4位に終わる
・10月13日 高円宮杯(U-18)で浦和ユースが初優勝
・10月15日 AFC U-16選手権(ウズベキスタン大会)で日本は準決勝で韓国に敗れたものの、U-17W杯の出場権を獲得
・11月8日 AFC U-19選手権(サウジアラビア大会)で日本はベスト8で敗退し、U-20W杯の8大会連続出場を逃す
・11月8日 なでしこリーグ1部でベレーザが4連覇を達成
・11月11日 ナビスコ杯は大分が清水を下して初優勝
・11月12日 ACLでG大阪が初優勝を飾る
・12月6日 J1は鹿島が2年連続6度目の優勝
・12月13日 磐田(J1)と仙台(J2)による入れ替え戦の結果、磐田のJ1残留が決定
・12月21日 クラブW杯でG大阪が3位に入る
・09年1月1日 天皇杯はG大阪が柏を下して優勝(第88回・08年度)
・09年1月1日 全日本女子選手権はベレーザが連覇(第30回・08年度)
・09年1月11日 大学選手権で中央大が16年ぶりに優勝(第57回・08年度)
・09年1月12日 高校選手権は広島皆実高が初優勝。広島県勢としては41年ぶりの戴冠となった(第87回・08年度)