歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第14回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成14年(2002年度)は日韓ワールドカップ開催で国中が熱狂。大会後も熱は続き、J1では磐田が完全優勝を果たした。

磐田が完全優勝、京都が初タイトル

 自国開催のW杯後は、さまざまな効果が生まれた。大会で活躍した鈴木隆行がベルギーのゲンクへ移籍。稲本はアーセナルからフルハムへ移籍を果たした。W杯に出場できなかった選手たちも悔しさをバネに飛躍を遂げた選手たちがいる。最終メンバーから落選した中村俊輔は、イタリアのレッジーナに渡る。エコノミークラス症候群のために出場できなかった高原直泰は、ジュビロ磐田で26ゴールを挙げて得点王になると、12月にドイツのハンブルクへと羽ばたいた。

 国内リーグも熱狂を持続した。Jリーグでは、1stステージ、2ndステージとも制したジュビロ磐田がJ1で完全優勝。高原と中山雅史のスピアヘッドの得点力と、名波浩を中央に据えたN-BOXと呼ばれる中盤の構成力でゲームを支配し、勝利を重ねて、偉業を成し遂げた。

 Jリーグカップは鹿島アントラーズが浦和レッズを1-0で下し、優勝。大会MVPには決勝点を挙げた小笠原満男が選ばれた。また、浦和の坪井慶介がニューヒーロー賞に選ばれている。天皇杯では、新王者が誕生した。決勝で鹿島のカップ2冠を阻止したのが、京都パープルサンガ(当時)。先制されたものの、朴智星と黒部光昭の得点で逆転。クラブとしての初タイトルを手にした。

◆平成14年度の主なタイトル一覧
Jリーグ:ジュビロ磐田
天皇杯:京都パープルサンガ(第82回・02年度)
Jリーグ杯:鹿島アントラーズ
JリーグMVP:高原直泰(磐田)
Jリーグ得点王:高原直泰(磐田)
Jリーグ新人王:坪井慶介(浦和)
Jリーグ最優秀監督賞:鈴木政一(磐田)
高校選手権:市立船橋高(第81回・02年度)
高円宮杯U-18:国見高
大学選手権:筑波大
Lリーグ:日テレ・ベレーザ

画像: 7月、中村俊輔はイタリアのレッジーナに移籍した(写真◎Getty Images)

7月、中村俊輔はイタリアのレッジーナに移籍した(写真◎Getty Images)

画像: 鈴木隆行はベルギーのゲンク移籍を果たした(写真◎Getty Images)

鈴木隆行はベルギーのゲンク移籍を果たした(写真◎Getty Images)

画像: この年は磐田が1stステージ、2ndステージともに制して完全優勝を果たした(写真◎J.LEAGUE)

この年は磐田が1stステージ、2ndステージともに制して完全優勝を果たした(写真◎J.LEAGUE)

画像: 磐田の優勝に貢献し、得点王に輝いた高原は12月にドイツのハンブルクに移籍(写真◎J.LEAGUE)

磐田の優勝に貢献し、得点王に輝いた高原は12月にドイツのハンブルクに移籍(写真◎J.LEAGUE)

画像: Jリーグカップを制したのは鹿島。クラブにとっての9冠目を獲得した(写真◎J.LEAGUE)

Jリーグカップを制したのは鹿島。クラブにとっての9冠目を獲得した(写真◎J.LEAGUE)

画像: JリーグカップのMVPは決勝点を挙げた小笠原が受賞した(写真◎J.LEAGUE)

JリーグカップのMVPは決勝点を挙げた小笠原が受賞した(写真◎J.LEAGUE)

画像: 決勝点を挙げた黒部(中央)が歓喜のジャンプ! 京都が天皇杯優勝を飾った(写真◎サッカーマガジン)

決勝点を挙げた黒部(中央)が歓喜のジャンプ! 京都が天皇杯優勝を飾った(写真◎サッカーマガジン)

画像: クラブ初タイトルを手にした京都。朴智星(7番)は優勝を置き土産にオランダのPSVに移籍した(写真◎サッカーマガジン)

クラブ初タイトルを手にした京都。朴智星(7番)は優勝を置き土産にオランダのPSVに移籍した(写真◎サッカーマガジン)

Jリーグ順位表(2002シーズン)
順位チーム
1磐田7130261342
2横浜FM5530194717
3G大阪54301911027
4鹿島5330180127
5京都4630171122
6名古屋4530151148
7市原413013314-4
8清水413014313-10
9FC東京393013215-3
10東京V373013314-2
11浦和3530132153
12323010317-10
13仙台323011118-17
14神戸313010317-11
15広島26308319-15
16札幌15305124-34
※年間順位

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