歴史を学ぶ『日本サッカー温故知新』の第9回。この連載では日本サッカーが大きく発展した『平成の30年間』を写真と記録で振り返る。平成9年度(1997年度)は大きな歓喜が日本を包む。劇的な勝利でワールカップの扉を開いたのだ。
ジュビロ磐田が初優勝!
Jリーグでは、歴代4チーム目の王者が誕生した。開幕の翌94年に参戦したジュビロ磐田である。前年に初優勝を果たした鹿島アントラーズとのチャンピオンシップに連勝し、シャーレを掲げた。2試合とも大黒柱のドゥンガが不在ながら、中山雅史、藤田俊哉、名波浩ら中心選手たちが奮起。第1戦を3-2、第2戦を1-0で制して優勝を飾った。試合後に名波は「(鹿島との)二強時代の到来」を口にした。そして鹿島はこのシーズンの天皇杯で初優勝を果たしている。
高校年代では東福岡(福岡)が見事に高校3冠を達成。とりわけ雪が降りしきる中で開催された帝京との高校サッカー選手権決勝は、「雪の決勝」として伝説となった。また、同大会は1979年生まれの「黄金世代」が中心選手として活躍した大会として知られる。東福岡の本山雅志、帝京の中田浩二、大船渡の小笠原満男、鹿児島実業の遠藤保仁らが出場した。
◆平成9年度の主なタイトル一覧
Jリーグ:ジュビロ磐田
天皇杯:鹿島アントラーズ(第77回・97年度)
Jリーグ杯:鹿島アントラーズ
JリーグMVP:ドゥンガ(磐田)
Jリーグ得点王:エムボマ(G大阪)
Jリーグ新人王:柳沢 敦(鹿島)
Jリーグ優勝監督賞:桑原 隆(磐田)
高校選手権:東福岡高(第76回・97年度)
高円宮杯U-18:東福岡高
大学選手権:駒澤大
Lリーグ:日興證券ドリームレディース
Jリーグ順位表(1997シーズン) | ||||||
順位 | チーム | 点 | 試 | 勝 | 敗 | 差 |
1 | 磐田 | 66 | 32 | 23 | 9 | 37 |
2 | 鹿島 | 68 | 32 | 24 | 8 | 40 |
3 | 横浜M | 60 | 32 | 23 | 9 | 14 |
4 | G大阪 | 58 | 32 | 20 | 12 | 20 |
5 | 清水 | 54 | 32 | 19 | 13 | 12 |
6 | 横浜F | 53 | 32 | 19 | 13 | 15 |
7 | 柏 | 52 | 32 | 18 | 14 | 14 |
8 | 平塚 | 49 | 32 | 18 | 14 | 3 |
9 | 名古屋 | 48 | 32 | 16 | 16 | -7 |
10 | 浦和 | 47 | 32 | 17 | 15 | 6 |
11 | C大阪 | 43 | 32 | 16 | 16 | -3 |
12 | 広島 | 36 | 32 | 13 | 19 | -7 |
13 | 市原 | 28 | 32 | 11 | 21 | -23 |
14 | 京都 | 27 | 32 | 9 | 23 | -30 |
15 | V川崎 | 26 | 32 | 10 | 22 | -27 |
16 | 神戸 | 24 | 32 | 9 | 23 | -35 |
17 | 福岡 | 19 | 32 | 7 | 25 | -29 |
※年間順位 |