上写真=貴重な先制ゴールを挙げた青森山田のFW田中(写真◎福地和男)
■2020年1月11日 全国高校サッカー選手権準決勝(埼玉スタジアム2〇〇2)
青森山田 2-1 帝京長岡
得点者:(青)田中翔太、松木玖生 (帝)田中克幸
聖地で2試合連続ゴール
試合が動いたのは前半の16分。右SBの内田陽介がゴール前にクロスを送ると、FW田中翔太が目一杯にジャンプ。難しい態勢から放たれたヘディングシュートは、クロスバーをかすめてゴールに吸い込まれた。「クロスが少し後ろに来たけど、うまく頭で合わせられた。気持ちで押し込みました」。田中の今大会2ゴール目が決まり、青森山田が先制した。
青森山田は後半に追加点を挙げ、帝京長岡に1点を返されるも逃げ切りに成功。2年連続での決勝進出を果たした。貴重な先制点を挙げた田中は、「きつい時間帯が長かったけど、チーム全員で守り切れた」と充実感をにじませ、「フォワードとして、自分のゴールでチームを勝たせられたことがすごくうれしい」と頬を緩めた。
埼玉スタジアムでは2試合連続ゴールとなった。昨年12月、同じ会場で行なわれた高円宮杯プレミアリーグ2019 ファイナルでも先制点をマークし、優勝に貢献している。“聖地”での連続ゴールに、「勝負強さはあるんじゃないかな。自信を持ってやれています」と笑顔。「大きい試合でゴールを決められるフォワードは、チームにとって大切な選手だと思う。いまは良い結果が出ているので、これを継続して決勝でも点を決めたい」。
13日に埼玉スタジアムで行なわれる決勝の相手は静岡学園(静岡)に決まった。チームは大会連覇が懸かるが、昨年度はメンバー外だったため、田中にとっては初の選手権決勝となる。「去年は先輩たちが優勝してうれしかったけど、メンバーに入れなくて悔しい気持ちもあった。そこから1年間ずっと、この埼玉スタジアムで優勝したいと思ってやってきました。残り一つなので頑張りたい」。1年分の思いを込めて、高校最後の大一番に挑む。
取材◎多賀祐輔 写真◎福地和男、小山真司