上写真=6月のコパ・アメリカでA代表デビューを果たしている安部裕葵(写真◎Getty Images)
ここからはすべての試合がサバイバル
トランコスモススタジアム長崎で開催されるキリンチャンレンジカップ2019は、東京五輪に向けた強化の一環であり、来年1月8日から26日までタイで開催されるAFC U-23選手権を見据えた試合でもある。この試合に先立って行われるE-1選手権で選ばれた五輪世代の選手たちは招集されていないが、AFC U-23選手権には、このE-1組と長崎組を融合したチームで臨むと予想されている。
長崎のU-22ジャマイカ戦に臨むメンバーは以下の通り。
■キリンチャレンジカップ2019(12/28 U-22ジャマイカ代表戦)
U-22日本代表メンバー(選手名・所属)
▼GK
山口瑠伊(エストレマドゥーラ=スペイン)
谷 晃生(G大阪)
小久保玲央ブライアン(ベンフィカ=ポルトガル)
▼DF
中山雄太(ズウォレ=オランダ)
岩田智輝(大分)
大南拓磨(磐田)
岡崎 慎(FC東京)
瀬古歩夢(C大阪)
▼MF
長沼洋一(愛媛)
三笘 薫(筑波大)
旗手怜央(順天堂大)
高 宇洋(山口)
岩崎悠人(札幌)
松本泰志(広島)
菅 大輝(札幌)
安部裕葵(バルセロナ=スペイン)
東 俊希(広島)
▼FW
前田大然(マリティモ=ポルトガル)
一美和成(京都)
バルセロナに所属する安部裕葵や小久保玲央ブライアンら海外組で11月のコロンビア戦で招集されなかった選手たちも選ばれた。
メンバー発表会見に登壇した森保一監督は「東京五輪で金メダルを取るという目標に向かって、それを一つ目標にしながら、選手にはより高いところを目指して日々の活動を目指していってもらいたい」と話し、「U-22の選手たちがA代表に絡んでいって、どんどん突き抜けていってほしい」と東京五輪での活躍、さらには日本サッカーの未来を担う存在になってほしいと期待を寄せた。
また、この会見ではスタッフ体制の『強化』も発表された。11月シリーズでA代表でカタールW杯予選、U-22代表のコロンビア戦、キリンチャレンジカップのベネズエラ戦と、3つのチームを見ることになり、多忙を極めた森保一監督へのサポート体制を強化する意味で、ジャマイカ戦に向けた合宿から栗原克志氏がコーチとして五輪代表のスタッフに加わることになった。
栗原コーチは先日までアルビレックス新潟のコーチを務め、森保監督が新潟でコーチだった際にともに仕事をした間柄。イングランドでのコーチ留学経験や、アルビレックス新潟シンガポールでコーチを務め、JFAのトレセンコーチとしても仕事をしていた。
関塚隆技術委員長は栗原コーチの就任について「現場の意向を汲んで決定した」と説明。11月のA代表のベネズエラ戦、U-22のコロンビア戦の惨敗を受けて、どのような結論を出し、スタッフの補充を決定したのかについては言及しなかったが、今後も森保監督がA代表と五輪代表の監督を兼任していく上で、スタッフの補充・強化が必要であると判断したということになる。
来年1月にはタイで開催されるU-23選手権に参加する。同大会に海外組を招集することは難しいが、限られた真剣勝負の場を有効に使いたいところ。指揮官が考える日本代表のコンセプトに合った選手か否か。代表選手として戦う資格があるかどうか。そして東京五輪でピッチに立つべき選手かどうか。
五輪まであと7カ月。選手たちにとって、ここから先はすべての強化試合が生き残りをかけた戦いなる。
写真◎Getty Images