上写真=先制点で勝利に貢献したイ・ヨンジェ(写真◎J.LEAGUE)
■2019年9月14日 J2リーグ第32節
岡山 2-0 岐阜
得点者:(岡)イ・ヨンジェ、仲間隼斗
「しっかり決め切ることができた」
立ち上がりから一進一退の攻防が続く中、均衡を破ったのは韓国人ストライカーの一撃だった。25分、MF上田康太の浮き球のパスに合わせて動き出すと、エリア内でフリーとなり、ボールの落ち際を左足ボレー。しっかりミートしたボールがゴール左に決まった。
「康太さんが素晴らしいボールを出してくれたので、しっかり決め切ることができた」と振り返ったイ・ヨンジェだが、実はパスが出てくるとは思っていなかった。「正直、予測できていなかった。康太さんはシュートを打つと思っていたから」だ。それでもパスが来てからは「ボールから目を離さずに打つことができた」と語るように、冷静に対処できたという。
京都からの完全移籍加入1年目だった昨季は、シーズン序盤から負傷に泣かされ、リーグ戦11試合出場・1得点と不本意な結果に終わった。しかし今季はコンディションが安定しており、今節まで全試合に出場して得点を量産。加えて有馬賢二監督が「ヨンジェが走ることで、相手のディフェンスが引っ張られる」と試合後に語ったように、前線での精力的なランニングでスペースを作る動きも光る。
今季18得点は呉屋大翔(長崎)と並ぶ得点ランク首位タイだが、「得点ランクよりもチームの順位が大事。最近はゴールを決められず、チームに迷惑をかけて申し訳なかった。まずは勝利に導けるゴールを決めたい」と言葉に力を込めた。第21節からクラブ初の4連勝を飾った後、第25節からは3連敗を喫して後退した岡山は、この3連勝で7位まで再浮上。好調のチームを引っ張る背番号9は「残り試合、簡単な試合は一つもない。J2昇格という目標を達成するために、1試合1試合、しっかり戦いたい」と決意を新たにしていた。
取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE