上写真=5月、6月のU-20W杯でプレーした瀬古。C大阪でも主軸を担う(写真◎Getty Images)
トゥーロン準優勝+コパ経験組で臨む
今回の遠征に臨むメンバーの中で注目は、初招集となる選手だろう。安部裕葵と瀬古歩夢は、この世代の代表チームとして初めて活動することになる。安部はすでに6月のコパ・アメリカでA代表入りを果たしており、その実力は折り紙付き。瀬古もC大阪でレギュラーCBとしてプレーしており、5月、6月のU-20ワールドカップでも主力として活躍。上の世代に引き上げられる形で、今回の遠征に参加することになった。
瀬古と同様に齊藤未月もU-20W杯に出場しているが、すでに東京五輪代表チームでの活動経験があり、年齢的には杉岡大暉らと同学年。U-20W杯の主将だった齊藤は今後、東京五輪代表で主軸を担うべくアピールしていくことになる。
そのほかのメンバーは大きく二つのカテゴリーに選別されるだろう。一つは今年6月のトゥーロン国際大会の準優勝メンバーだ。小川航基や田中碧、大南拓磨、岡崎慎、長沼洋一、高宇洋は、「決勝で惜しくもブラジルに敗れたが、素晴らしいプレーを見せた」(森保一監督)点を評価され、今回招集されている。
そしてもう一つが同じく6月にウルグアイで開催されたコパ・アメリカにA代表として参加したメンバーである。大迫敬介、小島亨介、岩田智輝、立田悠悟、杉岡、菅大輝、松本泰志、渡辺皓太、前田大然、上田綺世らは、プレッシャーのかかるアウェーでレベルの高い試合を戦った。その経験を、チームに還元していくことになる。
所属クラブで好調なパフォーマンスを披露し、3月以来の招集となった遠藤渓太や、ケガによってU-20W杯出場がかなわなかった橋岡大樹らも当然ながらチームの主軸を担い得る実力者だ。これまでU-22代表の中心だった三好康児(ロイヤル・アントワープ=ベルギー)が移籍したばかりで、コンディション面を考慮して今回、選外となったが、同時期のA代表に参加している久保建英、堂安律、冨安健洋、板倉滉も含め、東京五輪代表の座をめぐる競争はますます激しくなっていくだろう。
来年7月の本大会で、オーバーエイジ3枠を使うと仮定した場合、この世代でメンバー入りできるのは15人だけ。今回のアウェー遠征も、その狭き門をくぐるための重要なアピールの場になる。
■U-22日本代表 北中米遠征(9/2~11・メキシコ・アメリカ)
メンバー(選手名・所属)
▼GK
小島 亨介(大分)
大迫 敬介(広島)
▼DF
岩田 智輝(大分)
町田 浩樹(鹿島)
大南 拓磨(磐田)
立田 悠悟(清水)
岡崎 慎(FC東京)
瀬古 歩夢(C大阪)
▼MF
長沼 洋一(愛媛)
遠藤 渓太(横浜FM)
高 宇洋(山口)
松本 泰志(広島)
杉岡 大暉(湘南)
田中 碧(川崎F)
菅 大輝(札幌)
渡辺 皓太(横浜FM)
齊藤 未月(湘南)
安部 裕葵(バルセロナ=スペイン)
橋岡 大樹(浦和)
▼FW
小川 航基(水戸)
前田 大然(マリティモ=ポルトガル)
上田 綺世(鹿島)
写真◎Getty Images