上写真=広島からの期限付き移籍加入として水戸での再出発を切った浅野(写真◎J.LEAGUE)
■2019年8月17日 J2リーグ第28節
水戸 3-0 京都
得点者:(水)黒川淳史、オウンゴール、小川航基
「水戸での宿題として『J1に上げてこい』と」
56分、水戸の“快足レフティー”がピッチへと投入された。「今、できることを精一杯やる。もっとゴールに向かうプレーを増やしていく」と、MF浅野雄也はひたすらにチームの勝利を目指した。
「やることは変わらない」と言うように、主戦場とする4-4-2システムの左サイドハーフを務め、持ち味の推進力を見せた。ポジションも、役割も、「45」の背番号も変わらない。ただ、正式な所属元は水戸ではなくなった。
試合前日にJ1広島への完全移籍が発表された。よって、浅野はすでに広島の一員となっている。今季(2020年1月31日まで)は『期限付き移籍』という形で、水戸でのプレーを続けることとなる。
「自分のプロキャリアはまだ半年だし、今は水戸がJ1に昇格できそうな順位にもいるので、そのまま(水戸で)プレーしてほしい、と。広島の強化部長が考えてくれました」と、今回の移籍について説明する。
水戸でプレーするのは今季限り。「僕のプロとしての初めてのクラブなので、その恩返しというか、一つ結果を残してから移籍したい」。クラブへの感謝の思いと、エンブレムへの誇りを胸に、『J1昇格』という最高の置き土産を残すべく戦っている。
「(広島からは)水戸での宿題として、『J1に上げてこい』と。自分は(水戸で)まだ全然やり切れていない部分がある。チームの皆さんからもそうですけれど、サポーターの皆さんからもしっかり信頼を得た形でチームを去るのがベストかなと思う。今までと変わらないことではありますけれど、残り数カ月間も、少しでも水戸に貢献できるように全力でプレーするだけです」
来季は、かつて兄・拓磨も袖を通した紫紺のユニフォームに身を包む。これまで3度のJ1優勝を誇る名門へと旅立つ前に、水戸の地での限られた時間に全力を注ぐ。
取材◎小林康幸