上写真=コパ・アメリカに臨む日本代表に選出された安部裕葵(写真◎Getty Images)
東京五輪で金メダルを目指す(森保監督)
南米の強豪国と公式戦で戦う貴重な機会に、日本代表は18人の東京五輪世代と5名のA代表経験者という構成で臨む。東京五輪世代のうち、冨安健洋はすでにA代表の常連だが、6月のキリンチャレンジカップメンバーに選出済みの久保建英、中山雄太、大迫敬介に加え、この日は新たに13人の選手たちが初選出された。
コパ・アメリカはアジアサッカー連盟(AFC)の主催大会ではなく、招待国として出場する日本代表に各クラブは選手を派遣する義務がない。なおかつ大会期間中にはJリーグやACLの試合があり、海外のクラブにとっては所属選手を休ませるオフ期間であるため、メンバー選考の難しい大会だ。記者会見に登壇した森保一監督も、関塚隆技術委員長も「選手の派遣を認めてくれたクラブへの感謝」を繰り返したのは、そうした背景があるためだった。
今回、初招集されたのは以下のメンバー表にある通り、GK小島亨介、DF板倉滉、岩田智輝、立田悠悟、原輝綺、杉岡大暉、菅大輝、MF三好康児、松本泰志、渡辺皓太、安部裕葵、FW前田大然、上田綺世という13人。
森保監督は「選出の仕方という点では、私がA代表と東京五輪チームの監督を兼任していることで、日ごろからこの2つのチームをA代表のラージグループとして見ています。その中で、今回のキリンチャレンジカップとコパ・アメリカとある中で、どうやってレベルアップさせていくことができるかを考えています。日本全体のレベルアップにつなげていけるかを考えて、このメンバーにしました。理由はたくさんありますけど、若い選手がこのコパ・アメリカという素晴らしい大会に出られることによって、選手の成長につながり。来年の東京五輪にプラスになると思っています。東京五輪で、われわれは金メダルを取ろうと思っています。そのためにはA代表で活躍できるぐらいの力を持った選手が東京五輪に出て戦うぐらいにならなければ、目標達成は難しいだろうと思っています。今回のコパ・アメリカについては、A代表として戦って、そこで1試合でも多く勝ち進むことを考えながら、選手が厳しい戦いの中で成長し、A代表のプラスになっていけばと思います」と選出の経緯と意図を説明した。
また、キリンチャレンジカップ(KC)に引き続き、経験のある川島永嗣、柴崎岳、中島翔哉、岡崎慎司、そしてKCで久々の招集ながら中島とともにリオ五輪経験者である植田直通もコパ・アメリカに参加する。その役割について指揮官は、「まずは、クラブの意向としては休んだほうがいいのではないかという中でも、意思をもって、この大会に参加したいということをクラブにも伝えてもらえて参加してくれることに感謝したいと思います。そしてA代表でプロのサッカー選手としてキャリアを積んできている彼らには、まずは戦力として少しでも良いコンディションの中でプレーしてもらいたいですし、その中でチームを引っ張っていってもらたいと思います。それと同時に彼らが持っている経験を、若い選手たちに伝えてくれたらと思っています」
日本代表はKCを終えて日本を出発し、コパ・アメリカの開催地ブラジルでトレーニングを行ない、17日にチリとの初戦を迎える。指揮官は「決勝トーナメントに進出を目指し、一つでも多く試合できるように」と意気込みを語った。すでに決まっているグループステージの3試合よりも多く、南米の強豪国と真剣勝負できる機会を手にすることはできるだろうかーー。
■コパ・アメリカ ブラジル2019 日本代表メンバー
(選手名・所属)
▼GK
川島 永嗣(ストラスブール=フランス)
小島 亨介(大分)
大迫 敬介(広島)
▼DF
植田 直通(セルクル・ブルージュ=ベルギー)
板倉 滉(フローニンゲン=オランダ)
岩田 智輝(大分)
立田 悠悟(清水)
原 輝綺(鳥栖)
杉岡 大暉(湘南)
菅 大輝(札幌)
冨安 健洋(シントトロイデン=ベルギー)
▼MF
柴崎 岳(ヘタフェ=スペイン)
中島 翔哉(アルドゥハイル=カタール)
中山 雄太(ズヴォレ=オランダ)
三好 康児(横浜FM)
伊藤 達哉(ハンブルク=ドイツ)
松本 泰志(広島)
渡辺 皓太(東京V)
安部 裕葵(鹿島)
久保 建英(FC東京)
▼FW
岡崎 慎司(レスター=イングランド)
前田 大然(松本)
上田 綺世(法政大)
■日本代表日程
◎グループステージ
6月17日 チリ戦
6月20日 ウルグアイ戦
6月24日 エクアドル戦
6月27日~29日 準々決勝
7月2日~3日 準決勝
7月6日 3位決定戦
7月7日 決勝
※日付は現地時間