上写真=チームの2点目、3点目をスコアした橋岡大樹(写真◎Getty Images)
■2019年3月6日 AFCアジアチャンピオンズリーグ GS 1節
浦和 3-0 ブリーラム・ユナイテッド
得点者:(浦)槙野智章、橋岡大樹2
2年ぶり3度目のACL制覇を目指す浦和が快勝し、今季公式戦で初勝利を挙げた。前半は決定機を生かせずスコアレス。均衡を破ったのは後半開始早々のCKからだった。0-0の50分、柏木陽介の正確な左足キックを槙野智章が頭でピタリと合わせて先制点を挙げた。75分、88分には橋岡大樹が追加点をマークし、相手を突き放すことに成功。守備陣も無失点に抑え、グループステージ(GS)初戦を白星で飾った。
「この試合に懸ける思いは強かった」
今季、Jリーグ2試合でノーゴール未勝利と停滞するチームを活性化させたのは、19歳の突貫小僧だった。浦和の下部組織で鍛えられた橋岡はスタミナのペース配分などお構いなしとばかりに試合開始から走って、戦い、食らいついた。Jリーグで2試合ベンチに座り続け、つのる思いもあった。
「この試合に懸ける強かった。ベンチ外になり、気づかされた。もっと練習から頑張らないといけない。僕は謙虚な姿勢を忘れてはいけない」
後半からは槙野智章の助言を受けて、果敢にサイドから仕掛け、裏にも飛び出した。先制点を挙げたのはその先輩だったが、追加点はゴールに向かう27番の積極的な姿勢が得点につながったと言っていい。相手GKが長澤和輝のミドルシュートをはじくと、素早く反応して右足を振り抜き、雄叫びを上げた。
「ゴールは思い切ってやった結果だと思う。2点目も中に走り込んでいたから生まれた得点。3点目も来るじゃないかと思って、走り込んだ」
試合後、ゴールを振り返る顔は満足げだった。88分には左クロスに飛び込むと、滑り込みながらダメ押し点を挙げて、プロ初の1試合2ゴールをマークした。
ルーキーイヤーの昨季はシーズン途中からレギュラーとなり、25試合に出場。今季は山中亮輔の加入でポジションを奪われており、本人も現状を謙虚に受け止めている。
「僕は決してうまい選手ではない。これでいい気にならず、1日1日努力していきたい」
東京五輪世代の年代別代表にも選ばれている男の伸びしろは、まだまだたっぷりある。
取材◎杉園昌之 写真◎Getty Images