上写真=前日会見に出席したカタールのフェリックス・サンチェス監督(写真◎福地和男)
カタールを史上初めてアジアカップ決勝に導いたフェリックス・サンチェス監督は、選手からの信頼があつく、ここまで見事な手腕でチームを引っ張ってきた。日本との決勝を前に、チームの状態と自身の心境について、次のように語った。
日本は長所が多く、短所が少ない(サンチェス監督)
ーー決勝に向けて。
「ここに来れてとてもうれしく思う。カタール史上、最も重要な試合まで、あと1日となった。わわれれは決勝を自信を持って楽しみたいと思うし、対戦相手にはリスペクトを抱いています。彼らは素晴らしい選手をそろえていて、ファンタスティックな大会を過ごしている。対戦が楽しみですし、今大会最後の試合で良いパフォーマンスをお見せできることも楽しみにしている」
ーー決勝では前の試合で出場停止だった2選手(バサム・アルラウィとアブドゥル・アジーズ・ハテーム)が戻ってくるが、そのことでスタメンを決めるのが大変では?
「前の試合は2人をつかえなかった分、オプションが減ったが、2人が戻ってくる。ここ数日、ケガをしているアハメッドは使えないものの、違う選手を選ぶことができるし、試合中を含めて選手起用と戦術面でオプションが増えるので、我々にとってはいい状況だと思う」
ーー今大会で優勝経験のあるサウジアラビアとイラクを破っている。今度は日本だが、倒せるか。
「今大会の目標としては、どのチームともしっかり戦えるかどうか、試している部分もあった。6試合を戦って、それそれが違う内容の試合になった。ステージも違えばプレッシャーも違う、相手のファンの有無などいろいろな環境があった。明日もそういうゲームの1つになる。(日本は)今大会では非常に高いレベルの戦いを見せているトップチーム、それも何度も優勝経験があるようなチームと対戦するが、明日もいいプレーをして、我々が望むような結果を得たいと思っている」
ーー明日勝てば、カタールサッカーにとってどういう意味があるか。
「勝てば、我々の国のサッカー史上で最も大きな出来事になる。ここまで正しいことをやってきたし、このグループの選手たちも優勝を目指して、正しいメンタリティを持って戦ってきてくれた。明日の結果いかんにかかわらず、選手たちのことはとても誇りに思っている。とてもレベルの高い大会で、レベルの高い相手と競ってきた。明日も優勝を目指して戦って、我々の国の人々をもう一度喜ばせたいと思う」
ーーAFCがカタールの2人の選手の出場資格疑惑に関する抗議に対して調査を開始したというが、その件については?
「ここいるのは明日の決勝のためで、明日の試合に集中している。その件はサッカーに関係ないし、今の我々の関心事ではない。
ーーしかし、出場資格についてであればサッカーに関係ないとは言えないのでは? 懸念はない?
「私は何も心配していない。23人を使えるし、1人ケガをしているから実際には22人だが、彼もチームと一緒にいてチームを支えている。なにも心配はない」
ーーカタールに来て13年、今回決勝進出でカタールに新しい歴史を作ろうとしている。あなた自身にとってどういう意味を持つか。
「とても名誉なことだ。カタールで長年仕事をしているが、私の選手たちが決勝にいくことはとても喜ばしい。明日は楽しんで試合をしたい」
ーーシャビの存在は?
「彼はハッサン主将のチームメイトで所属チームの主将だが、選手に大きな影響を与えている。今大会中も試合の前後で多くの話を彼としてきた。彼の意見はいつも大事大師、ポジティブなものだ。100%正しいと思っている」
ーー報道されている2選手の出場資格についての件は、モチベーションに影響しないか? 逆に団結を強まることも?
「このチームにはアジアカップ決勝を戦うのに、余計なモチベーションなど必要ない。何もいらない。選手はピッチでプレーで示してくれてきた。明日も同じように取り組んで、最後まで戦って優勝を目指すだけだ」
ーーここまで日本は各試合でいろいろな表情を見せてきたが、どれが日本の本来の姿だと思うか。明日はどんな戦いをすると思うか。
「日本はとても組織力がって、ボール扱いもうまい。戦術、戦い方も多岐にわたっており、さまざまな武器を持っている。彼らは長所が多く、短所は少ない。ここまですべての試合に勝ってきている。我々はチャレンジできる方法でチャレンジするし、効果的にプレーをしなくてはならない。全ての局面でエクセレントでなければならないだろう。でも同時に我々にはいい試合をできる自信がある」
ーー準々決勝の韓国戦は日本戦の参考になるか。
「日本には日本のスタイルがあって、韓国とは違う。とてもよく組織されていて攻撃的だ。細かいところ、フィロソフィーなどあるが、ボールを持って攻撃的に戦う傾向がある。なので、明日もそういう形になるかもしれない」
写真◎福地和男