上写真=J2優勝を果たしてJ1昇格を決めた松本の選手たち
11月17日、J2リーグ第42節が各地で行なわれた。前節終了時点で1位松本から7位大宮まで勝ち点7差の間に7チームがひしめく大混戦のまま迎えたリーグ最終戦。14時に同時開催された各地のゲームは、時間の経過とともに目まぐるしく状況が変わるヒリヒリとした展開になった。
すべてを懸けた運命の90分
今シーズンのJ2リーグは史上まれにみる混戦だった。J1に自動昇格できる1位と2位、さらにプレーオフに進出できる3位から6位のイスを巡る争いが、最終節までもつれにもつれていたからだ。さらにJ1クラブライセンスを持たない町田が2位以内に入る可能性を残していることで、残留争いを続けるJ1クラブもその行方を見守ることとなった(J1の16位はJ2チームとのプレーオフ決勝戦【=入れ替え戦】を回避することになり、同時に本来自動降格となるJ1・17位のチームがJ2とのプレーオフ決勝戦に回り、J1残留の可能が残るため)。注目される中で運命の90分はスタートした。
前節終了時点の順位は以下の通り(カッコ内は勝ち点)。
1位松本(76)、2位大分(75)、3位町田(75)、4位横浜FC(73)、5位東京V(70)、6位福岡(69)、7位大宮(68)。【=入れ替え戦】
そして最終節の結果は以下の通りとなった。
△松本 0-0 徳島△
△山形 1-1 大分△
△町田 1-1 東京V△
●甲府 0-1 横浜FC 〇
△岐阜 0-0 福岡△
●岡山 0-1 大宮〇
順位は……。
1位 松本(77 得失点20/J1昇格決定)
2位 大分(76 得失点25/J1昇格決定)
3位 横浜FC(76 得失点19/プレーオフ進出)
4位 町田(76 得失点18)
※J1クラブライセンス未取得のためプレーオフ出場はなし
5位 大宮(71 得失点17/プレーオフ進出)
6位 東京V(71 得失点15/プレーオフ進出)
7位 福岡(70 得失点16)
最終節で引き分けたものの、1位の松本と2位の大分が順位をキープし、J1昇格を決めた。前節3位の町田は82分に大谷尚輝の得点で東京Vに追いつくも、勝ち越すことはできず、順位を一つ下げて4位でフィニッシュ。逆に横浜FCはアウェーで甲府を下して勝ち点を積み上げ3位に順位を上げた。
プレーオフ進出争いでは前節まで7位で圏外につけていた大宮が敵地で岡山を下して5位に浮上すし、プレーオフ進出を決めている。東京Vは前述の通りゲーム終盤に町田に追いつかれたが、勝ち点1を積み上げて6位に踏みとどまり、同じくプレーオフ進出を決めた。前節までプレーオフ進出圏内の6位だった福岡はアウェーで岐阜に勝ち切れず、大宮に逆転を許して7位に後退。圏外に転落してしまった。
この結果、11月25日行なわれるプレーオフ1回戦では大宮と東京Vが対戦。勝者が12月2日に横浜FCと対戦し、さらにその勝者が12月8日にJ1の16位チームとプレーオフ決勝戦を戦う。
運命の90分を経て、明暗がくっきりと分かれた。歓喜を味わったチームと涙に暮れることになったチーム――。J2の最終節は、今季も悲喜こもごものドラマが繰り広げられた。
写真◎J.LEAGUE PHOTOS