今年のトゥーロン国際大会にも出場したが、苦い経験となった 写真◎Getty Images
湘南で磨いた“杉岡らしさ”を示す
不退転の覚悟で臨んでいる。
「アジア大会では、Jリーグで成長した姿を見せます」
約2カ月前のトゥーロン国際大会では、失態を演じてしまった。ミスを重ねて、失点に絡み、大きく落ち込んだ。プロ入りして2年目。湘南では堂々とピッチに立ち、ミスをしても下を向くことはないが、あのときばかりは違った。
「あれほど、へこんだことはない」
慣れない3バックの一角に入り、思うように試合に入れなかった。湘南では主に左アウトサイドで起用されており、感覚のズレがあったという。センターバックでの出場経験もあったが、スイッチをうまく切り替えることができなかった。フランスから帰国後、課題を洗い直し、湘南で練習を積み重ねた。
迎えたアジア大会の初戦。相手は格下のネパール。3バックの一角として先発出場し、積極的にプレーした。ドリブルでボールを持ち運んで縦パスを入れ、大胆なインターセプトも狙った。相手のレベルを差し引いても、2カ月前のしどろもどろした姿はなかった。
後半途中からは左アウトサイドでも働いた。ボールに触る回数は少なかったものの、チャンスと見るや、ペナルティーエリアへ侵入。高さを生かし、空中戦で存在感を示した。
迷いなくゴールへ向かう姿勢は、湘南で培ったもの。クラブで磨いてきた杉岡らしさは、凡戦となった試合のなかでも垣間見えた。
文◎杉園昌之