■2018年3月30日 J1リーグ第5節
 柏 2-1 神戸
 得点者:(柏)伊東純也2
     (神)田中順也

柏がホームで神戸を下し、J1で3試合ぶりとなる白星を手に入れた。両者とも無得点で試合を折り返すと、68分に伊東純也が持ち前のスピードを生かしたドリブルでゴールへ向かい、左足を振り抜き先制点を決めた。その後、CKから田中順也のヘディングシュートで神戸に同点とされるも、86分に右サイドの連係から、最後は再び伊東がゴールを挙げて勝ち越し。勝ち点を「8」に伸ばした。

「やっぱりスーパーな選手だと思います」

神戸から勝利をつかむためには、やはり“背番号10”を封じる必要がある。スタートポジションこそ“トップ下”の位置に立つポドルスキだが、ときにはサイドに張ったり、ときには最終ラインまで下がったりと神出鬼没。『フリーマン』とも呼べる動きを見せていた。

そんな神戸のキーマンへの対応策を、柏のキャプテン・MF大谷秀和はこう明かす。
「(ポドルスキが)どこにいるときも、まずは近くにいる選手が意識をする。ボールを持たれたときには、必ず一人はアプローチすることを徹底していた」

前半戦のポドルスキはシュートなし。ゴール前でチャンスに絡む場面もほとんどなく、それほど脅威にはならなかった。
「そんなに機敏に動いていたわけではないし、(相手ボランチの)藤田(直之)選手や三田(啓貴)選手とともに下がってボールを受けていた。自分たちの背後にあまり入られていなかったので、そういう怖さはなかった」(大谷)

もちろん、柏の守備の連係がうまくいっていたことも、ポドルスキに決定的な仕事をさせなかった要因だろう。

「神戸がボールを大事にしてビルドアップするというのは、自分たちも意識していたし、そのなかでセンターバックがボールを持ったときに、(守備ブロックの)間に(パスを)入れられないような守備は、トレーニングのなかでも意識していた。そこでボールを外へ外へと追い出せたのは、チームのやろうとしていたことができたと思う。守備においては、自分たちが良い距離感でコンパクトに相手を追い込めたのかなと思います」

大谷がそう振り返るように、後半も中盤と最終ラインの計8人で築かれた二重の防波堤を破られる場面はほとんどなかった。この試合で喫した失点もCKから。神戸に中央からの攻めを許さなかった。

それでも、伊東純也のゴールで1点を先制した後は、ポドルスキが前線にポジションを上げ、柏のゴールにより近い位置でプレーするようになる。60分には、ペナルティーエリアのやや外側でボールを持たれ、左足を振り抜かれる。DF中谷進之介が果敢なブロックで、シュートをはね返した。
「シン(中谷進之介)が寄せて体に当てたけれど、あのシーンのようにゴールに向かって足を振られるときは、ものすごく警戒をしていた。あの左足の質の高さは、やっぱり別格なので」(大谷)

さらに、終了直前のアディショナルタイムにも肝を冷やす。神戸にパワープレーを仕掛けられ、最後はポドルスキに浮き球のボールをジャンピングボレーで同点ゴールを狙われる。ここは柏の守護神・中村航輔がファインセーブで阻み、事なきを得るも、「最後(のボレーシュート)みたいに、強引にでもシュートに持っていける。やっぱりスーパーな選手だと思いますね」と、大谷は舌を巻く。

結果的に、後半もポドルスキのシュート数を2本に抑えたことで、リーグ戦3試合ぶりの勝利を得ることができた。元ドイツ代表ストライカーの実力に警戒し、チームとしてアプローチを徹底したことがもたらした勝ち点3となった。

取材◎小林康幸 写真◎J.LEAGUE PHOTOS


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