★J1第32節 2017年11月18日(土)@等々力競技場

○川崎フロンターレ 1-0 ガンバ大阪●
得点:(川)エウシーニョ(82分)

11月18日、J1はすでに消化している鹿島対浦和(○1-0)を除く8試合が各地で行なわれた。首位・鹿島を勝ち点7差で追う川崎FはホームでG大阪を1-0で下し、勝ち点差を4に詰めて2位をキープ。プレッシャーのかかるゲームに勝ち切り、優勝決定は次節以降に持ち越された。

川崎Fスタイルを尽くして優勝を待つ

ルヴァンカップ決勝でセレッソ大阪に敗れ(11月4日)、またも初タイトルを手にできなかった川崎フロンターレは、今季すでにACLに敗退し(準々決勝で浦和に逆転負け/合計●4-5)、天皇杯も8強で終了(●0-1柏)。シーズン序盤から安定した戦いぶりで、いずれのコンペティションでも優勝候補と目されていたが、現時点で獲得可能性を残すタイトルは、J1リーグのみだった。

試合開始前の時点で1試合多く消化している首位鹿島との勝ち点差は7。ホームにガンバ大阪を迎えたこの試合に勝って、残り2試合に逆転優勝の望みをつなげたいところ。負ければ、その時点で望みも潰える。

試合開始直後から、川崎Fは攻めに攻めた。前半はほぼ敵陣でゲームを展開。パスをつなぎ、エリア内に攻め入り、シュートを放つ。だが、ゴールは遠い。11分にエリア左手前から放ったの阿部浩之のシュートも、15分に大島僚太の浮き球パスに反応した中村憲剛のボレーもネットを揺らすには至らなかった。

前半だけで放ったシュートは11本。一方のG大阪は0本。この数字は、いかに川崎Fが優勢だったかを示す。だが、川崎Fは圧倒的に攻め込みながらも得点できずに前半を終える。ルヴァンカップ決勝と同様に、ポゼッション率は高いが、スコアを動かせない。

後半も同じ流れが続いた。54分には小林悠がGKと1対1の場面を迎え、左足でシュートを放つ。56分には奈良竜樹がエリア内でヘディング、58分には家長昭博の強烈な右足シュート、60分にはエウシーニョがドンピシャのタイミングでヘディング。立て続けにG大阪ゴールを襲うが、いずれも相手GK東口順昭の好守にあってゴールにつながらなかった。攻めども攻めども、スコアシートは依然「0」のまま。

ただ、それでも鬼木達監督はやり方を変えなかった。その理由は「(ピッチの)中でやっている選手たちが悪くはないと思ってプレーしていたと思います。だからそれを自分がヘンな形で崩したくないな、という思いがありました」。

実際、ゴールが生まれずに時計の針が刻一刻と進んでも、この日の川崎Fに焦りの色は見られなかった。

「もしゴールが入らなかったらという考えよりも、このサッカーでダメだったら仕方がないと。そのぐらい割り切って自分たちは戦っています」(鬼木監督)

継続は力なり――。試合時間が残り10分を切ったとき、川崎Fが誰もが知る格言の正しさを証明する。右CKの場面。中村憲剛が蹴ったボールを家長が頭で落とし、ファーサイドで反応したエウシーニョが左足でプッシュ。ついにゴールをこじ開けた。

「(ボールを)回しているだけではなくて、当然ミドルシュートもそうだし、クロスもそうだし、あらゆることをやってダメだったら仕方がない。自分たちのボールを握ってプレーし続ける、相手に渡さないというサッカーを今後も重要視しながらやっていきたい。結果がどういうことになっても。選手も信じていますから、このサッカーを。僕自身もこのサッカーを信じています。それにサポーターも付いてきてくれれば、一番うれしいです」

優勝に望みをつないだ鬼木監督は、川崎Fのサッカーで結果をつかみたいと言い切った。

「(ルヴァン杯で敗れたあと)先週は、なかなか気持ちのところで難しかった。一生懸命トレーニングしていますけども、盛り上がりといいますか、盛り上がっていいのかどうか選手も不安もある中でやっていたと思います。でも今週になって自分たちのやってきたことを信じ、結果は自分次第だということを(話した)。数字上は(優勝は)他力ですけれども、実際には自分たち次第で、まだまだ可能性がある。奇跡を起こせるんじゃないかという形で、最後の2、3日で選手たちの気持ちもスイッチがグッと入って、今日の試合に挑めたと思います」

選手たちはやり切った。次節(11月26日)、鹿島が柏に勝てば鹿島の連覇が決まるが、それでも川崎Fのスタンスは変わらない。川崎Fスタイルを尽くして優勝を待つのみ――。

※川崎Fの次の試合は対戦相手の浦和がACL決勝に出場する関係で11月29日(水)に開催される。


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