画像: 写真は昨年11月16日のもの

写真は昨年11月16日のもの

9月5日、アジア最終予選グループAの最終節が行なわれ、2位の韓国が4位のウズベキスタンと0-0で引き分け、3位シリアも1位イランと引き分けたため、順位変動はなし。2位韓国が本大会出場を決め、3位シリアが『アジア代表決定戦』に回ることになった。

前半は互いに譲らず

予選最終節を前にしたグループAの順位は、以下のとおり。

1位:イラン(勝ち点21/+8)☆
2位:韓国(勝ち点14/得失点+1)
3位:シリア(勝ち点12/得失点+1)
4位:ウズベキスタン(勝ち点12/得失点-1)
5位:中国(勝ち点9/得失点-3)
6位:カタール(勝ち点7/得失点-6)

すでにイランが本大会行きを決め、残りひと枠を2位韓国、3位シリア、4位ウズベキスタンで争うという構図だった。

迎えた最終節、2位韓国は4位ウズベキスタンとのアウェーゲームに臨んだ。勝てば文句なしで本大会出場が決められる状況ながら、完全アウェーの雰囲気の中で、序盤から押し込まれる展開が続く。
決してベタ引きしているわけではないのだが、シリアの鋭いサイド攻撃と推進力に手を焼き、チームの重心が下がってしまう。だが、ウズベキスタンのほうも緊張からかクロスのミスやフィニッシュの精度を欠いてネットを揺らすことができない。

ウズベキスタンはハイダロフのミドルシュートがポストを叩き、韓国は前半終了間際に裏に抜け出したソン・フンミンが決定的なシュートを放つなど、ともに惜しいシーンを迎えたが、スコアレスのまま前半45分を終えた。両国とも勝利がほしい状況ながら、リスク管理を怠るわけにもいかない。両国の置かれた状況が如実にピッチに表れた、そんな前半だった。

一方、同時刻に行われているイラン対シリアはシリアが先制し、最終予選で初めてイランのゴールを割ることに成功した。だが、前半終了間際に追いつかれてしまう。こちらも1-1の同点で前半を終えた。

45分を終えた時点では、試合前の順位と変わらず韓国が2位、シリアが3位。すなわち韓国が本大会出場でシリアがプレーオフに回るという状況だった。当然、4位ウズベキスタンは後半に、より攻撃的になることが必要であり、シリアも本大会へのストレートインを果たすには、さらに攻撃的になることが求められた。

後半は一転、韓国攻勢

運命を決める後半のスタートから積極的な姿勢を打ち出したのは、勝たなければ、プレーオフに回ることさえできないウズベキスタンだった。52分にはMFジェパロフに代えてラシドフ、58分にはFWセルゲーフに代えてゲインリフと攻撃陣の顔ぶれを変えて、得点を狙う。

しかし、攻め気に逸るウズベキスタンに対して韓国は落ち着いたパス交換でプレスをいなし、ゴールに迫っていく。時間の経過とともに焦りを見せ始めるウズベキスタン。球際の強さと冷静なパスワークを見せる韓国。これが初出場を狙う国とワールドカップ常連国の差か。66分にはエリア内まで攻め上がっていたキム・ミヌ、67分にはファン・ヒチャンが立て続けに決定機を迎え、韓国が攻勢を強めていった。

それでも韓国とウズベキスタンのスコアが動かず、試合が70分を過ぎる頃、他会場でこの両国の立場を変えるゴールが生まれた。イランが得点してシリアを逆転(イラン2-1シリア)。この時点で2位韓国、3位ウズベキスタン、4位シリアに順位が変動した。

1点を取って韓国を下せば、2位に浮上できる好機を迎えたウズベキスタンはしかし、攻撃的になるべくカードを切って以降、逆に攻めが形にならず、カウンターアタックでしか韓国陣内に攻め入れなくなっていた。81分にはゲインリフがエリア内でシュートを放つも、GKキム・スンギュにセーブされ、ネットを揺らせず。逆にスペースが空き始めた守備陣の間にパスをつながれ、防戦一方となってしまう。89分にはイ・ドングクに決定的なシュートを打たれ、GKネステロフが好セーブでしのいだものの、自陣ゴール前で釘付けにされる状況は変わらなかった。

攻めが形にならないウズベキスタンとは対照的に、敵地で攻めに攻めた韓国。精度は欠いたものの、後半は優位に試合を進めたと言っていい。結局試合は動かず、スコアレスのまま90分間を終えたが、交代のカードにしても韓国は状況に応じてイ・ドンググ、ヨム・ギフンと経験のある選手を送り込み、主導権を握り続けた。

そして他会場ではシリアが終了間際のアディショナルタイムにイランに追いつき、2-2のドローに持ち込む。辛くも勝ち点1を積み上げた結果、順位は2位韓国、3位シリア、4位ウズベキスタンと、最終節を迎える前と変わらず。韓国が9大会連続の出場を決め、シリアがB組の3位と対戦して北中米カリブ海の4位との大陸間プレーオフ出場権を争うことになった。

ウズベキスタンは本大会出場に近づきながら、またしても悲願の初出場を成し遂げられずじまい。前回予選に続き、壁を乗り越える難しさを痛感することになった。

■最終順位
1位:イラン(勝ち点22/+8)☆W杯出場決定
2位:韓国(勝ち点15/得失点+1)☆W杯出場決定
3位:シリア(勝ち点13/得失点+1)★プレーオフへ
4位:ウズベキスタン(勝ち点13/得失点-1)
5位:中国(勝ち点12/得失点-2)
6位:カタール(勝ち点7/得失点-7)


This article is a sponsored article by
''.