8月24日発売のサッカーマガジン10月号はJリーグ準会員だった『ネクスト10』を特集。北海道コンサドーレ札幌からは福森晃斗選手が登場。クラブへの熱い思いを語っている。
自信を持てるようになった
2011年に桐光学園高から川崎フロンターレに入団し、4シーズンを過ごした。ただし、その間にリーグ戦でプレーしたのは16試合のみ。記録した得点はわずかに1点。プロ選手としては決して満足できる数字ではなかった。
2015年、福森晃斗は出場機会を求めてJ2を戦うコンサドーレ札幌(現北海道コンサドーレ札幌)に期限付きで移籍する。悩んだ末の決断だったが、その選択は間違っていなかった。
開幕から定位置を確保すると、初年度ながら39試合に出場。4得点を記録し、自身がプロ入りしてから、ずっと求めていた「試合出場による経験」を重ねることもできた。
「シンプルに自信を持てるようになりました。川崎に高卒で加入した当初は『自分がこんなハイレベルなチームにいてもいいのだろうか』という気持ちで毎日、練習していましたし、自分の特長を出せるように声を出して周りに要求するようなこともいっさい、ありませんでした。いや、できなかった。でもいまは、しっかりと要求できます。札幌で出場機会を得るにつれて、そういう部分が変わってきたと思います」
札幌で迎えた期限付き移籍2年目(2016年)には、中心選手としてJ1昇格に大きく貢献。とりわけその正確な左足キックは、チームの攻撃にバリエーションをもたらし、多くのチャンスを創出することになった。
他の選手にはない「武器」を持つ福森の存在は、ファン・サポーターはもちろんのこと、当然のように『同業者』の目にも留まった。本人が「予期していなかった」と話すビッグクラブからの獲得オファーが届いたのは、シーズンを佳境を迎える時期。まさにJ1昇格争いの渦中だった。
「毎年、数多くの選手が引退を余儀なくされるこの厳しいプロの世界で、複数の選択肢があるというのは本当に幸せなことだと理解していました。ただ、それでもやはり人間ですから、いろいろと悩みますよね…」
果たして2017年シーズンも、福森は赤黒のユニフォームをまとっている。しかも完全移籍した上で、だ。
なぜ福森は今季も札幌で戦うと決めたのか――。
サッカーマガジン10月号では、福森が決断の理由を率直に語っているほか、リーグ屈指の精度を誇る左足キックと、今季つかみ始めた『感覚』についても言及。チームの目標である『J1残留』に力を尽くすDFの覚悟を感じ取れるはずだ。
(取材◎斉藤宏則/撮影◎大橋泰之)