2月8日、埼玉スタジアム2002でFUJI XEROX SUPER CUP 2020 NEXT GENERATION MATCHが行なわれ、横浜FMユースが日本高校サッカー選抜に勝利。横浜FMユースは中村翼が2得点、星野創輝の追加点、日本高校サッカー選抜は田中克幸と晴山岬が得点した。

上写真=横浜FMユースのGK寺門がゴールを死守する(写真◎J.LEAGUE)

■2020年2月8日FUJI XEROX SUPER CUP 2020 NEXT GENERATION MATCH(埼玉スタジアム2002)※40分ハーフ
横浜FMユース 3-2 日本高校サッカー選抜
得点者:(横)中村翼2、星野創輝 (日)田中克幸、晴山岬

「普段は感じられないくらいの声援」

 先制ゴールの起点となったのは、横浜FMユースの守護神だった。前半32分、「自分も11人目のフィールドプレーヤー」と自覚し、積極的にビルドアップに加わるGK寺門陸が、センターバックの一角を務める木村恵風の前方に空いたスペースへパスを送った。

「攻撃がちょっと停滞している時間帯でした。自分としては0-0よりも1-0で試合を折り返したかったから、(木村の)ちょっと前のスペースにパスを出しました。良いファーストタッチをしてくれたので、そのまま流れに乗って、先制点を取ることができた。自分のところでスイッチを入れられて良かった」

 足元ではなく前方にパスを出したことで、受け手となった木村は前へのスピードを上げた。その瞬間、チーム全体の動きが加速し、右サイドバックの成田翔紀、右サイドハーフの久保龍世、そして前線の中村翼へとパスがつながり、先制点が生まれた。

「僕たちはトップチームと同様にハイラインを敷いています。その中で自分は守備に重きを置きながらも、より攻撃的に、と。理想では、自分がアシストすることも考えながらプレーしています」

 横浜FMユースの屋台骨が、先制ゴールにつながる攻撃の組み立て役となった。

「立ち上がりはちょっとゆるく入ってしまい、押し込まれる時間帯もあった」と反省点も口にする。それでも、「あの時間帯を(失点)ゼロで抑えられたので、自分的に良かった」と話すように、出場した前半40分間を無失点でしのいだ。

「昨年(2019年)はスタートで使ってもらうことが多かった」という2年生守護神。フィールドプレーヤーのほとんどのポジションを3年生が担う中、「サッカーの世界は、年齢は関係ない」と、下級生ながら横浜FMユースのゴールマウスを守り続けた。

 プロの世界へと羽ばたいたDF池田航(横浜FM)、MF松田詠太郎(相模原)、FWブラウンノア賢信(讃岐)ら、上級生がチームを離れた。この試合が新チームでの初陣となったが、「自分の代になったときに、どれだけ今まで試合に出ていた選手が中心となってチームを引っ張っていけるかということを考えていた。その中で自分たちは声をかけながら引っ張っていけた。この勝利は、自分たちにとって大きい」と、確かな手応えを得た。

 最高学年となる2020年、寺門は個人として、チームとして、目標を持つ。個人としては、トップチーム昇格を目指す。埼玉スタジアムに詰めかけた多くのトリコロールのサポーターを前に、その思いは、よりいっそう強くなった。

「たくさんのサポーターのすごい声援が後押しになりました。普段は感じられないくらいの声量だったので、すごく力になった。サポーターのおかげで勝てたと思います。よりいっそう、自分もトップチームで活躍したいなと思う試合となりました」

 そして、チームでは再び、埼玉スタジアムに戻ってくることを誓う。高円宮杯プレミアリーグEASTに昇格した新年度は、高校年代の日本一を狙う。その決定戦となる高円宮杯プレミアリーグ・ファイナルの舞台は、埼玉スタジアムだ。

「自分はケガをしていて(プレミアリーグ参入戦に出場できず)、自分の手でプレミアリーグ昇格をつかむことはできなかったけれど、先輩たちが最高の舞台を残してくれた。そこで自分たちの持っている力をすべて出して、チャンピオンになれるように頑張っていきたい。最後の試合も、ここ(埼玉スタジアム)で締められたらいいです」

 2020年も横浜FMユースの最後尾に寺門が立ちはだかる。


This article is a sponsored article by
''.