今回は、関東王者として全国大会に臨む横浜FMユースを最前線で引っ張るストライカーに迫る。
上写真=横浜FMユース所属のFWブラウンノア賢信(写真◎サッカーマガジン)
「もっとうまくなりたい」
トリコロールのイレブンを前線でけん引するのは、カナダ生まれの長身ストライカーだ。長い手足を存分に駆使したポストプレーでボールを収め、味方にパスを裁いて一目散にゴール前へと入っていく。ブラウンノア賢信の存在感は、ピッチ上で際立っている。
「チームが勝つことが一番大事。点を取れないときやチャンスが少ないときは、まずは守備からやっています」と、常にチームの勝利を考えながらプレーする。
ただ、FWである以上は、ゴールという結果も追い求めなければならない。
「点を取れなければ評価されない。逆にプレーの内容が悪い日でも、点を取ることができればそれだけで一つの評価になる。実は中学生のときからパスすることが多くて〝点を取れないキャラ〟だったんですけれど、高校2年のときに途中から試合に出て点を取ることが多くなった。そこで評価されたことで、ゴールの重要性を覚えました」と、自らの経験から得点への意識を変えた。
「フィジカル的に、日本ではもう負けることはほとんどない」と言うほど、完成された選手となってきた。しかし、「世界に出ると普通に弾かれたりするので、世界レベルでも戦えるくらいのフィジカルを身につけなければいけない」と、未熟さも痛感している。
そんな中、U-20ワールドカップで、ともに戦ってきた仲間が世界で活躍する姿を見て、刺激を受けた。「(ユース時代から)めっちゃうまいと思っていたけれど、あらためてすごいと感じた」という、2学年上の先輩である山田康太(現横浜FM)に尊敬の眼差しを送り、同学年の2人には強いライバル心を燃やす。
「斉藤光毅(横浜FC)とか(西川)潤(桐光学園高※C大阪特別指定)は、高校1年生のときまでは代表で一緒にやっていたので、(今は)ちょっと引き離されてしまった感じはあります。自分ももっと頑張らなければ」
ブラウンも、2年後に待つ同じ舞台を目指す。「(U-20ワールドカップのピッチに)めっちゃ立ちたいです!」と、気持ちが高ぶる。
「海外でやりたい気持ちはもちろんあります。結構プレミアリーグを見るのが好きなので、そこでプレーしてみたいですね。家では(アメリカ人の)お父さんが英語でしゃべってくるので、聞き取るのは問題ありません。だから、(プレミアでプレーすることになっても語学は)大丈夫だと思いますよ! 考えるのはまだ早いけれど(笑)。まずはプロになることが目標です。ただ、プロになるだけではなくて、プロの世界でも通用するように、もっとうまくなりたい」
大きな夢を追って、これからも自身の能力を磨いていく。
ブラウンノア賢信[FW/横浜F・マリノスユース/3年]
ぶらうん・のあ・けんしん/2001年5月27日生まれ、横浜F・マリノスジュニアユース追浜出身。長身とスピードを武器に、最前線で攻撃の基点となる。中学生の頃から年代別代表に名を連ね、今季はトップチームに2種登録されてルヴァン杯にも出場している。188cm、76kg