上写真=先制に成功しながらもコロンビアに逆転負けを喫した日本(写真◎Getty Images)
■2023年5月24日 U20W杯・GS第2戦(@ラプラタ)
U20日本 1−2 U20コロンビア
得点:(コ)アスプリージャ、アンヘル
(日)山根陸
デザインされたセットプレーで得点も…
試合の立ち上がりはコロンビアの圧力に押され、自陣でのプレーを強いられた。一瞬のスピードや一気に加速するドリブル、スキあらばシュートを狙う相手の積極性に後手に回る場面が散見。日本は劣勢に立たされた。
しかし整理された2ラインと集中した守りで対抗し、ボックスにボールを入れられても粘り強い守備で耐えしのぐと、徐々に前向きなボール奪取に成功し始める。15分には右サイドバックの高井がボックス内まで入り込んでシュートを放ち、決定機を創出した。
守備から攻撃へ転じる切り替えの速さでコロンビア陣内に攻め込む機会を増やし始めた30分、日本は最初のビッグチャンスをゴールにつなげてみせる。熊田のパスを受けた北野が放ったシュートがDFに当たり、右CKを獲得すると、キッカーの福井はショートコーナーを選択。北野とのパス交換でボックス脇へ進入し、ゴール前に密集する相手守備陣の外へクロスを供給。タイミングよく走り込んだ山根がコントロールしたシュートを放ち、見事にネットを揺らした。
デザインされたセットプレーから先制に成功した日本だったが、1点のリードを手にして迎えた後半早々、コロンビアの猛攻を受けることになった。後方からどんどん攻め上がってくる相手を捕まえきれず、スペースを使われて防戦一方になる。
53分にコロンビアの10番を背負うアスプリージャ、59分には後半から登場したアンヘルにゴールを決められ、逆転を許してしまう。いずれも日本の右サイドを完全に破られての失点。とりわけ2失点目は自陣での相手のスローインの流れからであり、日本の守備陣の人数はそろっていたものの、守りきれなかった。冨樫剛一監督は「相手が圧力をかけてくることはわかっていた」と振り返ったが、警戒していたにもかかわらず、ゲームをコントロールすることができなかった。
その後もコロンビアは逆転の勢いを駆って攻め込んできた。ただ日本も球際で体を張り、中央をしめて対抗。追加点を許さず、チャンスを待った。すると80分、右CKの場面で再びビッグチャンスを迎える。山根が入れたボールがボックス内で相手選手の手にあたり、VARの結果、ハンドの判定。日本がPKを獲得した。
まさにピンチのチャンスありーー。だが、キッカーを務めたキャプテン松木の左足から放たれたボールは無情にもクロスバーを直撃する。同点とはならず、日本は絶好の得点機会を逸してしまった。
その後も日本は同点を目指し、86分にはロングスローから松木がヘディングシュートを放ち、96+6分にはFKからチェイス・アンリがゴール前に詰めて惜しい場面を迎えた。しかし、いずれもネットを揺らすことができず、1−2で逆転負け。2戦目で決勝トーナメント進出を決めることはできなかった。
次戦は中2日で迎えるイスラエル戦。「次、勝つしかない。しっかり準備したい」と話したのは、この試合でゴールを奪った山根だ。2試合を終えてグループ2位につける日本。勝ってネクストステージ進出を狙う。