上写真=前半23分に追加点をスコアし、チームを乗せた道脇豊(写真◎AFC)
初戦から勝負強さを発揮
勝ち点の獲得がマストだった大会初戦のウズベキスタン戦で先制ゴールをスコアし(1−1)、勝利が欲しかった2戦目のベトナム戦も最初にネットを揺らした(4−0)。3戦目のインド戦は『温存』されたが(8−4)、ナンバー9を背負おうストライカーとして道脇豊は申し分のない結果を残し、チームのグループステージ首位通過に貢献した。
そして迎えた準々決勝のオーストラリア戦。勝てばU−17ワールドカップ出場が決定し、負ければ帰国が決まる大一番で、道脇は改めてその力を示してみせた。
10分に名和田我空がスローインから相手のミスを逃さず先制ゴールを記録した後、重要な試合のすう勢を決め、世界への扉を開く決勝ゴールを叩き込んだのだ。
左CBの永野修都が自陣ゴール前から送ったロングフィードに左サイドハーフの吉永夢希が反応。相手DFより早くラインの裏に抜け出すと、ダイレクトで中央へボールを送った。
そこに走り込んだのが、道脇だった。ピッチ状態が悪く、決して簡単なボールではなかったが、右足のインサイドで正確にとらえ、相手GKが伸ばした手の先へ蹴り込んだ。
後半、62分にオーストラリアに1点を返されたが、74分に途中出場の高岡伶颯がネットを揺らして日本は再びリードを2点差に広げた。見逃せないのは高岡の得点シーンにつながる道脇のオフ・ザ・ボールの動きだ。センターサークル内で佐藤龍之介がボールを持った時、パスを受けるために前線からスッと後方へ下がった。その動きに一人のCLがつられ、同時にスペースが空いた。そこへ高岡が走り込み、佐藤からスルーパスが届く。前線の連動が決定的な3点目を生んだと言える。
「立ち上がりで得点することができましたし、自分が2点目を決めてチームを勢いづけることができてよかったかなと思います」
AFCの公式Twitterが公開した動画で、そう試合を振り返った道脇。得点のみならず、守備でもオフ・ザ・ボールの動きでも勝利に貢献した。ここまで出場した3試合はいずれもネットを揺らし、文字通りエースストライカーの働きを見せている。決勝進出のかかる強豪イランとの準決勝でも当然、求められるのはゴールだろう。『4戦4発』が期待される。