上写真=先発出場した遠藤航だが、勝利はつかめず。自身も76分に交代した(写真◎Getty Images)
再三、右サイドを破ったアタランタ
下馬評ではプレミアリーグで優勝を争いを続け、しかもホームで戦うリバプールが優位と見られていた。しかしセリエAで6位のアタランタが素晴らしいパフォーマンスを披露。3ゴールを叩き込み、見事な勝利をつかんだ。
前半38分、右サイドを攻略したアタランタは、右アウトサイドのダヴィデ・ザッパコスタから送られたマイナスのクロスをジャンルカ・スカマッカがゴールに変える。右足でとらえたボールが、リバプールの守護神クィービーン・ケレハーが左に飛んだ、その下をすり抜けて先制に成功した。
前半、攻めの機会を作りつつもゴールにつなげられなかったリバプールは後半のスタートから3枚替えを実施。反撃を試みる。ハーヴェイ・エリオットに代えてモハメド・サラー、カーティス・ジョーンズに代えてドミニク・ソボスライ、コスタス・ツィミカスにアンドリュー・ロバートソンを投入。しかし、次のゴールを記録したのもまた、アタランタだった。
60分、またも右サイドからの攻めが結実する。リバプール守備陣のスキを突き、シャルル・デ・ケテラエルがアーリークロスを入れると、ゴール前で再びスカマッカが合わせ、ネットを揺らした。
アンフィールドに乗り込んだアタランタが2点を先行する、予想外の展開。そして試合はこのまま終わらなかった。アンカーで先発した遠藤航がディオゴ・ジョッタと交代してベンチに下がった直後の83分だった。アタランタは中盤で相手のミスを見逃さなかった。
ソボスライのパスを敵陣でカットすると、スカマッカ、エデルソンとつなぎ、シュートのこぼれ球をマリオ・パシャリッチがプッシュ。アタランタがさらに点差を広げてみせる。
試合を振り返れば、リバプールにチャンスが全くなかったわけではない。だが、25分のエリオットのシュートはポストに嫌われ、55分には遠藤のパスを受けたダルウィン・ヌニェスがボックス内で粘ってサラーにつなぎ、シュートに持ち込んでいる。だが、強烈なシュートはGKフアン・ムッソの好守に阻まれてしまう。さらに79分にもロバートソンの左クロスに飛び出したサラーが合わせてネットを揺らしたが、判定はオフサイド。ギリギリのプレーだったが、リバプールはことごとく決定機を逸してしまった。
試合は結局、アタランタの3−0で終了。リバプールのミスもあったが、敵地に乗り込んだアタランタはしたたかな攻めで見事な勝利を飾り、大きなアドバンテージを手にした。
第2戦は1週間後の18日。アタランタのホーム、アトレティ・アズーリ・ディターリアで行われる。もちろん可能性はゼロではないが、0−3から逆転しなければならないリバプールは、4強進出がかなり厳しい状況となった。