上写真=ドリブルシュート、そしてヘディングで2ゴールを決めたブライトンの三笘薫(写真◎Getty Images)
躍動感とスピード感、推進力をもたらす
ボーンマスに先制を許し、前半のアディショナルタイムにオウンゴールで追いついて迎えた後半。この日、ベンチスタートだった三笘が登場。ややロートーンで進んでいた試合が全く別のものに変わっていった。
まず、後半開始早々だった。相手のキックオフにブライトンは連動したプレスで圧力をかけ、アンス・ファティが相手のキックを引っ掛け、さらに相手DFのクリアを三笘が拾って、すぐさま左に開いたファティに展開。自らはボックス内に走り込み、再びボールを引き取ってドリブルを仕掛け、最後は相手のGKの鼻先で右足のアウトを使ってボールを方向を変え、ゴール右隅に流し込んだ。
登場していきなり圧巻のプレーを披露した三笘に、ホームの集ったサポーターから大歓声が降り注いだのは言うまでもない。
さらに、である。77分に三笘は相手を突き放すゴールを決めた。敵陣でボール奪取に成功し、攻撃参加した左サイドバックのペルビス・エストゥピニャンからクロスが送られる。一連のプレーの終着点として三笘はゴール前にしっかり走り込んでいた。
ボールを呼び込むように動き、クロスに合わせてヘディング。しっかり頭を振ってGKのいない場所にボールを送り込むスキルフルなシュートでこの日2点目を決めてみせた。
前半はやや低調な内容だったブライトンは三笘、そしてファティの登場で劇的にプレーが変化した。スピード感と推進力が生まれ、パスもよくつながった。相手の運動量がやや落ちたこともあったが、プレスも機能し、優位に試合を進め、オープンプレーから2ゴールをマーク。週中のヨーロッパリーグの疲労なども考慮した上でベンチスタートになったと思われるが、チームにおける三笘の存在の大きさを改めて確認するようなゲームだった。