上写真=左サイドで果敢に仕掛ける三笘薫(写真◎Getty Images)
終盤の猛攻も実らず
敵地に乗り込んだAEKはブライトンのビルドアップを狙っていた。試合のスタートから人を捕まえ、アグレッシブにボールを奪いにかかる。そしてマイボールにした後の攻め筋はシンプル。手数をかけずにゴールを目指していった。
その積極性にホームチームは気圧される形になる。その結果、前半11分、さらに40分にセットプレーから失点してしまった。
ジョアン・ペドロがボックス内でエフサン・ハジサフィに倒されてPKを獲得し、自ら決めて1点を返していたものの、ブライトンはボールを持たせて狩るという相手の狙いにハマることになった。
前半はAEKのペースだったと言っていい。だが、ブライトンは後半もその信条を曲げることはなかった。しっかりボールを動かし、AEKの守備陣を揺さぶってゴールへのルートを生み出してみせる。三笘も左サイドに大きく開いてボールを呼び込み、果敢な仕掛けでチャンスの創出に注力した。
60分過ぎからは球際の争いが一層激しさを増し、ラフプレーも増えていった。イエローカードも頻発したが、次の1点はそんな状況の中で67分に生まれた。ジョアン・ペドロがダミアン・シマニスキにボックス内で倒され、またもPKを獲得。再びキッカーを務めると、前半とは逆の右下に蹴り込み、ブライトンが2−2の同点に追いついた。
後半はブライトンがペースを握り、試合を進めた。しかし、劣勢だったAEKがワンチャンスをものにする。84分、自陣でボール奪取に成功し、ロングボールを前線に送り込むと、エセキエル・ポンセがヘッドでサポートに走るニクラス・エリアソンへ。ゴール前でリターンを受けると、ポンセが勝ち越しゴールを蹴り込んだ。
86分に三笘に代えてシモン・アディングラ、ビリー・ギルモアに代えてファクンド・ブオナノッテを投入し、ブライトンはやや疲れの見えていた攻撃陣を活性化。ゴールを奪いにいったが、ゴール前に人数を割いて守るAEKを崩しきれず。ホームながら2−3で敗れた。
ブライトンにとってはホームで迎えた開幕戦で是が非でも勝利を手にしたいところだった。直前のリーグ戦(プレミアリーグ)では敵地で強豪マンチェスター・ユナイテッドに快勝して好調を示したが、クラブとして初めて臨んだ欧州カップ戦の難しさをいきなり痛感することになった。