オナイウ阿道は昨季、フランスのリーグドゥ(2部)のトゥールーズに移籍し、リーグ優勝とリーグアン(1部)復帰を成し遂げた。強豪ひしめくリーグで結果を残し、日本代表復帰も目指すストライカーに、新シーズンへの意気込みと代表への思いを聞いた。

思いは口にしなければ現実にはならない

画像: リーグアンでプレーすることへの期待、代表への思いを『口にした』オナイウ阿道

リーグアンでプレーすることへの期待、代表への思いを『口にした』オナイウ阿道

ーー新シーズンはいよいよリーグアンでプレーすることになります。どんな心構えでいますか。世界有数の選手がそろうPSG(パリ・サンジェルマン)との対戦も待っています。

オナイウ 多くの人がPSGのエムバペ、メッシ、ネイマールに注目しますけど、言ってしまえば対戦するのはシーズンで2試合ですし、その試合がすべてもないので気負うことはないですね。リーグドゥでもそうでしたけど、その週ごとに対戦するのはほとんど知らない選手たちで、日本だったらだいたい知っている選手、チームとの対戦ですが、その点では昨シーズンも常に新鮮ではありましたから。リーグアンがどれくらいのレベルか、未体験で分からないから、その点ではシンプルにどれだけ自分ができるかには興味があります。通用しないとは全く思っていないし、今シーズンできなかったことをしっかりやれれば、自分の中ではリーグアンでももっと点を取れるとは思っています。今は早くサッカーがやりたいですね。

ーーこのオフはしっかり休めましたか。

オナイウ 昨年の夏に移籍があって、例外的に1年半、サッカーをやっていたので休むことが必要でした。その点でしっかり休めたと思っています。ただ代表戦をやっていたりすると、自分だったらこんなプレーができるかなとか、そういうことを考えたりして。そうすると、ますますサッカーをやりたくなりますね。

ーー帰国中に行われていた日本代表を見たと。

オナイウ 見ましたよ。やっぱりブラジルは上手いし強いですね。狭い局面でも簡単にみんなが前を向くし、ドリブルできるし。いとも簡単にやっているように見えるけど、自分がやれるかと言ったら、相当に難しいだろうとも思いました。個人としてそこの差はあるなと感じたし、日本はチームとして攻撃面のチャンスがほとんどなかったので、そういうチャンスを作らなければいけないと感じました。

ーーよくワールドカップ本大会と最終予選は別物と言われます。その中でチーム自体も予選とは大きく変わることが多いですが、今時点でカタール・ワールドカップ対してどんな思いを持っていますか。

オナイウ カタール・ワールドカップへの思いというよりも、いま選ばれている選手に負けたくないという思いの方が強いですね。

ーー自分なら、という思いが?

オナイウ そうですね。自分だったらこうできると考えます。もちろん、何もなかったら口だけなのですが、僕は常に言葉にすることは大事だと思っています。思いを口にしなければ現実にはならないと思うから。自分に足りない部分があるし、それがあるから今、選ばれていないのも分かっています。だからこそもっと成長しなければいけないですが、他の選手たちにない部分が僕にはあると思うし、自分がチームにいれば何か少しでも変えることができると思っています。特別な選手ではないですけど、でも今いる選手たちには、やっぱり負けたくないですね。

ーー足りないと感じているもの、そして少し変えられるという違いの部分とは?

オナイウ 足りないのは、まだまだ細かいミスが多いところ。それは自分の課題だと思っています。チームに加えられる部分は、ボックス付近でのプレーや、ゴールへの執着心みたいなものですかね。

ーーブラジル戦はゴールを取れる雰囲気すらなかったのは確かです。ピッチでそれが伝わると、他の選手たちも動き方や攻め筋も変わってくる。

オナイウ もちろん、ブラジルが相手だったというのはあります。その前のパラグアイ戦とは全然違いましたから。ただ、ワールドカップで対戦するのはそういう強い相手だし、そういう相手から点を取って勝ち点3を取らないと先には進めない。点を取れなくても引き分けはあるかもしれないけど、勝利は絶対にないわけですから。そのために点を取る選手、点を取れる場所にいる選手が必要だと思います。前線の選手だけの責任ではないけど、機を見て攻撃にフォーカスできる選手がいたら、というイメージは見ていて持ちました。

ーー9月にヨーロッパで代表戦が行われます。そこで代表復帰するためのイメージを持っていますか。

オナイウ まずチームでセンターフォワードとして試合に出ないと代表には選ばれないと思います。その上で結果を出し続けないといけない。そこでしっかり結果を出せば、代表に入るチャンスはあるでしょうし、自分にはできると思っています。

プロフィール◎おないう・あど/1995年11月8日生まれ、埼玉県出身。抜群の身体能力とゴールへの嗅覚を武器にペナルティーエリア内で存在感を示すストライカー。正智深谷高から2014年にジェフユナイテッド市原・千葉に入団し、17年に浦和レッズに移籍。18年に期限付き移籍したJ2のレノファ山口FCでは22得点とゴールを量産した。19年はJ1の大分トリニータでプレーし、2020年シーズンに横浜F・マリノスに完全移籍で加入。2021年7月にトゥールーズに加入し、リーグドゥ1年目で10得点。優勝と昇格に貢献した。180㎝、75kg


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