スコティッシュ・プレミアシップは上位6チーム(トップ6)と下位6チーム(ボトム6)が分かれて戦うポストスプリットに突入しているが、1日、首位のセルティックが2位レンジャーズと対戦した。オールドファームと呼ばれ、注目される両チームの今季5度目の対戦は、前田大然、旗手怜央、古橋亨梧の日本陣トリオが前節に続いて先発したセルティックが先制。だが終盤にレンジャーズが猛攻をみせて1点を返し、1-1のドローに終わった。

上写真=ジョタのゴールをアシストした前田大然(写真◎Getty Images)

日本トリオが2度目の先発そろい踏み

 立ち上がりは互いにプレスをかけ合い、激しく球際でぶつかり合って目まぐるしく攻守が入れ替わる展開になった。ともにパスをつなぐ意思があるものの、相手のカットやパスミスも起こって複数本はつながらない。

 ようやく試合が落ち着いたのは、15分を過ぎてからだ。レンジャーズがミドルやクロスで相手ゴールに迫ったが得点にはつながらず、ホームのセルティックが徐々に単発に終わっていた攻撃を『線』にし始める。

 すると21分、ゴールが生まれた。中盤で相手のクリアをカットすると左サイドで旗手も加わってパス交換。グレッグ・テイラーの縦パスをボックス内左角で前田が受けて、一瞬のスピードで前に出てクロスを供給する。右ウイングの位置から中に入り込み、クロスに合わせて飛び込んだジョタが右足を合わせてセルティックが先制に成功した。

 ゴールの場面ではCFで先発した古橋もきっちり走り込んでおり、前節に引き続き先発に名を連ねた前田、旗手、古橋の日本人トリオはこの日も積極的にプレーに関わっていった。インサイドハーフで攻守に働く旗手はもちろん、前線で相手DFにプレッシャーをかける前田、古橋の守備面での貢献も大きく、相手のビルドアップを何度も制限。チームが前半、優勢に試合を進めたベースになっていた。

 しかし、セルティックの1-0で迎えた後半は状況が変わる。ホームチームのプレスの強度が下がり始め、一方でレンジャーズが積極的に前に出ることで優勢になっていく。結果、67分にはファッション・サカラが決め、セルティックは同点に追いつかれた。

 その後も試合を振り出しに戻したアウェーチームの勢いは衰えず、セルティックは守りの時間が長くなった。決定機の数も後半は相手の方が上。負ければリーグ優勝がほぼ絶望的となるレンジャーズの意欲がピッチで示されたと言えるだろう。61分に前半から飛ばしていた古橋、旗手が交代。78分には前田もベンチに下がった。そして86分には多くのセルティックサポーターが肝を冷やすことになった。左からディフェンスラインを突破され、同点弾を決めた相手FWサカラのシュートを許す。ポストを直撃したが、守備網を完全に破られるピンチだった。終盤に他にも危ない場面が訪れたが、守護神ジョー・ハートの好守もあって何とか切り抜けることになった。

 結局、勝敗を分ける1点は生まれず、試合は1-1のドローに終わった。危ない場面もありながら手にした勝ち点はセルティックにとっては大きなものだろう。今季5度目となるオールドファームに勝って2位レンジャーズとの勝ち点差を広げることはできなかったものの、6ポイント差をキープし、リーグ戦の残り3試合を迎えることになるからだ。つまりは、有利な立場のまま1試合を消化したということ。首位セルティックは優勝に向けて、依然として優位な状況にある。


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