上写真=シュミット・ダニエルが2試合ぶりの完封に貢献。安定したゴールキーピングを見せた(写真◎STVV)
橋岡の負傷交代が心配
伊東純也がプレーする8位のゲンクと勝ち点45で並ぶ9位のSTVV。得失点差では15もの開きがあって、4位から8位が参加する欧州カッププレーオフに出場するには、STVVは残り2試合となったレギュラーシーズンで連勝するしかない。
4月2日は16位のズルテ・ワレヘムとのアウェーゲーム。日本代表としてワールドカップ予選に参加していたGKシュミット・ダニエル、FW林大地のほか、DF橋岡大樹、FW原大智が先発、香川真司はベンチスタートとなった。まず、印象的なプレーを見せたのは橋岡。6分に右サイドからのFKに合わせてからニアに入って放ったヘディングシュートが相手のハンドを誘い、VARチェックのあとのオンフィールドレビューによってPKを獲得した。これはブルースが止められてしまうのだが、ビッグチャンスを演出した。
林は相変わらず最前線で存在感を放ち、原も長身を生かして前線でポイントになって、攻撃を運んでいった。前半は0-0で終えたものの、52分に先制ゴールが生まれる。ブルースのドリブルのこぼれ球を拾ったコナテが一気に持ち上がり、20メートルほどの距離から目の覚めるようなロングシュートを突き刺した。
68分にはアクシデント。空中戦で競り合った際に橋岡の右腰に相手の膝が入り転倒。一度はピッチに戻ったものの、自ら交代を要求してピッチを去ることになった。押し込まれる時間帯には最終ラインにまで戻ってタイトに守備をした林は、75分にコイタに代わってピッチをあとにした。
試合はこのあと、90+1分にSTVVが追加点。原がゴール前で強引に勝負に挑み、相手に止められるが、こぼれたところをライツが拾ってゴール右隅へきれいなカーブを描くシュートを送り込んだ。このまま2-0で勝利を収めて3連勝、8試合負けなしと結果を残して、暫定ながらプレーオフ圏内の8位に浮上した。原、シュミット・ダニエルはフル出場して、ゲンクにプレッシャーをかけた。
2試合ぶりの完封に貢献したのはシュミット・ダニエル。「試合を支配して、見ている人には面白くない試合だったかもしれないけど、最終的にうまく2点を取れて効率のいい勝ち方ができました」と安定した試合運びに胸を張る。好調の原因はその「堅さ」で、「戦い方がはっきりしていて割り切れていて、ブロックを作って引いてリスクを負わずにプレーするところはしっかりできています」と自信をふくらませている。
次節はレギュラーシーズンの最終節。スタンダール・リエージュとのホームゲームだ。シュミット・ダニエルは「プレーオフは関係なく、今季レギュラーシーズン最後のホームゲームで、サポーターもたくさん入ると思うので、勝利を届けたい一心です」と誓った。