上写真=伊東純也は66分からピッチへ。余裕のプレーぶりで勝利に導いた(写真◎Getty Images)
ビッグチャンスは3つ
伊東純也の66分の投入は、相手にとっては嫌で仕方がないだろう。足が重くなる時間帯に、高速アタッカーが入ってくるのだ。伊東はまさにその「嫌な役」に徹して、チームの今季10勝目に貢献した。
日本代表のワールドカップ最終予選2試合で大活躍してベルギーに戻った伊東は、ベンチスタート。ズルテ・ワレヘムを迎えたゲンクは、36分に左から崩してオウンゴールを誘って先制すると、後半開始早々の47分にはトルシュベットがミドルシュートを決めて2-0とした。
余裕を持って試合を進め、相手がゴールを奪いに来るという展開の中、伊東がピッチへ。前回、アウェーで戦ったときには1ゴール2アシストしてマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた相性のいい相手だ。この日は追加点を狙うカウンターの急先鋒として、そして押し込んだあとのハイプレスの仕掛け人として定位置の右ウイングに入った。
短い出場時間の中でも、主に3つのチャンスに絡んだ。74分に相手の縦パスをセンターバックのクエスタがワンタッチでトルシュベットへ、さらに1トップのオヌアチュへ預ける素早いカウンターを見せると、オヌアチュが相手2人をじっくり引きつけて右へ送った。そこに走り込んだのが伊東。シュートを狙ったものの、トラップを一つ挟んだことで相手のカバーが間に合ってブロックされた。
81分には自陣からラフなクリアボールを蹴り出すが、処理にもたついた相手からトルシュベットが強奪した。右に大きく展開すると、伊東がそのまま持ち込み鋭いグラウンダーのシュート、しかしこれはGKにキャッチされる。90+1分にもカウンターを発動、右サイドでDF2人の間をすり抜けて走り出し、フロソフスキのロングパスを引き出して落ち際に手懐ける絶妙のトラップから左足でシュート、DFに当たってこぼれたところを巧みなヒールパスで中央に送ったが、味方に合わなかった。
伊東はゴールこそ奪えなかったが、このあとも最後までドリブルで仕掛け、ハイプレスで幅広く走って、2-0のリードのまま試合を締めた。ゲンクはこれで10勝目で8位につけている。