上写真=待望の初ゴールを挙げた細谷真大のほか、荒木遼太郎、佐藤恵允、山田楓喜(左から)がこの笑顔!(代表撮影:JMPA)
■2024年7月30日 パリ五輪・GS第3節(@スタッド・ドゥ・ラ・ボージョワール)
イスラエル 0-1 日本
得点:(日)細谷真大
「流し込むだけ」の大会初ゴール
日本は引き分ければ首位通過が確定するから、0-0で90分まで進んでいた試合をそのまま終わらせてもよかった。しかし、チャンスは逃さなかった。
足の動かないイスラエルを尻目に、藤田譲瑠チマが右サイドへ展開。駆け抜けた佐藤恵允がていねいにマイナスに折り返すと、フリーになっていた細谷真大が右足でゴール右へとパスするように落ち着いて流し込んだ。90+1分に歓喜は訪れた。
「恵允がうまく見てくれてたので、しっかり流し込むだけでした」
まずは絶好のパスを送ってくれた佐藤のプレーを称えたが、「2試合とも点を取れていなかったので、今日取れてよかったです」とホッとした表情も見せた。
このチームのエースとして、ずっと戦ってきた。第2戦のマリ戦では推進力とパワーを生かして右サイドを強引に突破して、山本理仁の決勝ゴールを生み出していた。だから、79分にピッチに入ったこの試合ではゴールがほしかった。
ただ、この1点は驚きではない。
「チームのためにやっていれば、いつか取れると思っていたので、今日で取れてよかったです」
大岩剛監督率いるこのチームは、選手同士の強い結びつきが守備に攻撃にも生きている。チームのためは自分のため。自分のためはチームのため。その精神性が「いつか取れる」という平常心につながっていった。
これで無失点での3連勝と最高の形でグループDを首位で通過し、準々決勝ではいきなり優勝候補のスペインと激突することになった。
「1回負けている相手でもあるし、いい試合になると思うので、しっかりいい準備をして臨みたいと思います」
前回の東京オリンピックの準決勝で敗れている因縁があるし、今回の世代も2022年の親善試合で0-2で敗れている。ただ、目標の金メダルをつかむためには、スペインだろうがどこであろうが、勝つだけだ。
「まず、1個1個勝っていくことが近道だと思ってるので、しっかり次の試合の準備をしたいと思っています」
この日の「オリンピック初ゴール」は「独特な雰囲気があって楽しいですし、点を決めてすごくうれしかったです」と喜んだ。
そんな笑顔を、スペイン戦でもその先でも、もっと見たい。