平河悠と山田楓喜の両ウイングが、まさしくパリへの翼となってサイドを切り裂いた。『AFC U-23アジアカップ』の準決勝・U-23イラク代表戦で、左右から多くのチャンスを演出。チーム一丸の戦いの中で、個の力で違いを生み出し、それぞれ試合後は安堵とともに、次なる戦いにも目を向けている。
上写真＝左からの仕掛けやクロスで多くのチャンスを作った平河（写真◎Getty Images）
■2024年4月29日 U23アジアカップ準決勝（＠ジャシム・ビンハマド）
U23日本 ２ー０ U23イラク
得点:（日）細谷真大、荒木遼太郎
山田は「ひそかに闘争心を燃やして」
平河は左、山田は右のウイングでサイド攻略の起点に。鋭いドリブルで相手の脅威となり、65分には突破からのセンタリングでFW細谷真大のヘッドが右ポストに当たる決定機を演出した平河は「パリ五輪の出場権を獲得するという一番の目的に向けて、チームとして同じ方向を向いてスタートできたので、目標を達成できてよかった」と振り返った。
「前半は思いどおりのプレーができなくて、悔しい気持ちがある」という山田も、後半は盛り返した。48分にはDF大畑歩夢のセンタリングに合わせてニアサイドに飛び込み、左足で合わせる決定機。惜しくも左ポストに当たって3点目は逃したものの、「守備、走ることは最低限できたと思うので、その気持ちで出場権を獲得できるところまで導けたと思う」と語った。
8大会連続の五輪出場を決めて「一番はホッとしている」という平河は、「この試合に対する準備は（登録メンバー）23人全員がしっかりしていた。自分も与えられたタスクをしっかりこなせれば、チームの勝利に貢献できると思っていた」と胸を張る。山田は「どの試合でも、いつもどおりの平常心を保ちながら入るのは意識している」と心境を明かしたが、それでも「ひそかに闘争心を燃やしつつ臨んで、この勝ちを得ることができたのでよかった」と喜んだ。
U-23ウズベキスタンとの決勝でも、チームに貢献しようという思いは変わらない。平河は「今大会まだ点が取れていないので、得点を狙いつつ、優勝に少しでも貢献できたら」と意気込み、山田は「自分の持ち味を出して、チームのために走って優勝したい」と最後の一戦を見据えた。
