上写真=藤田譲瑠チマはもう一度、チームを一つにすることを誓った(写真は中国戦◎Getty Images)
■2024年4月22日 U23アジアカップ・GS第3戦
U23日本 0-1 U23韓国
得点:(韓)キム・ミヌ
「しっかりサッカーをして勝ちたい」
63分に松木玖生、佐藤恵允とともに、キャプテンの藤田譲瑠チマがピッチに入った。スコアは0-0で、韓国がそれを動かそうと順に4人を交代させてきた。こちらも3人を代えてパワーを注入した。
ここからオープンな展開が増えていく。藤田は中盤の中央に構えて、その存在感とカバーリングの能力によって、仲間たちをどんどんと前に押し出した。しかし、75分にはCKから先制ゴールを許してしまう。
ここから日本は1点をがむしゃらに狙った。83分には右から崩して中央へ、こぼれ球を藤田が左に送って佐藤のシュートを導いた。85分にはまたも右からのクロスを受けた佐藤が戻し、藤田が右足のインサイドキックでていねいにシュートを放ったが、DFに弾かれてしまう。90+7分には半田陸の右からのクロスにファーで佐藤がヘッドで合わせたが、無情にも左ポストへ…。
攻めに攻めたものの、1点が決まらずに、0-1で終了の笛を聞くことになった。
「最後はやっぱり勝っていい流れでいきたかったんですけど、この敗戦を無駄にしないように、次に向けていい準備ができたらいいなと思います」
藤田の切り替えは早かった。グループBで2位となり、準々決勝ではグループA1位のカタールとの対戦が決まった。開催国を相手にした難しいゲームになるだろう。負けたことを感情的に振り返る時間はもったいない。
「(カタールの)試合を見ている感じだと、審判のレフェリングだったり、難しい場面はありますけど、チームとしてしっかりサッカーをして勝ちたいなと思います」
余計なことに惑わされないように意識している。それは、このチームに大きな自信があるからでもある。
「この敗戦でバラバラにならないように、自分を中心にまたまとめ上げて、いい方向に向けたらいい」
キャプテンとしてこのチームを引っ張ってきた。この日はベンチスタートだったが、一人ベンチの前で立ち上がり、ピッチの中の選手たちに声をかけ続けた。ピッチに入ってからも、もちろんだ。そのリーダーシップがチームをつなげている。
「たくさんの方が応援してくれていると思うので、自分たちも見合うような戦いをして、しっかりと優勝を持ち帰りたい」