Uー23日本代表は25日、Uー23ウクライナ代表と対戦し、2−0で快勝した。4月15日に開幕するパリ五輪に向けた最終予選前、最後となるテストマッチだったが、アピールしたい選手たちが躍動。チームにポジティブな空気をもたらし、最終予選へ弾みをつけた。

上写真=攻撃をけん引した荒木遼太郎(写真◎湯浅芳昭)

躍動した荒木! 関根、田中もアピール!

 マリ戦同様、日本は立ち上がりから数分間はアグレッシブな姿勢を見せた。高い位置からのプレスでウクライナを慌てさせ、果敢にゴールを狙っていく。キレのある動きで攻撃をけん引したのが、2年ぶりの招集に気合いの入る荒木だ。まず5分。ボックス手前から右足でシュート。12分には藤田のパスを受けて左足で狙った。いずれもゴールにつながらなかったが、試合の入りとしては悪くなかった。

 その間には山田、佐藤、松木もシュートを放ち、ウクライナゴールを脅かしている。前日会見で大岩剛監督は積極的なプレーを選手に求めたが、その通りのプレーがピッチで繰り広げられた。ただし、リズムをつかんでいたこの時間帯にゴールを奪えなかったことで、次第にウクライナも攻撃機会をつかみ始める。

 多くは日本のアバウトなキックとパスミスが原因だ。ウクライナの構える守備に対して、日本の最終ラインはミスを恐れて縦パスを送らず、横パスとバックパスを繰り返した。結果、じりじりと間合い詰められて苦し紛れのパスを送り、相手の攻撃機会を渡すことになった。

 その後、日本は何度かチャンスをつかむものの、カウンターを浴びる機会もあり、内容的には互角の展開と言えた。スコアも動かず、0−0で後半を迎えることになった。

 日本は後半開始から、マリ戦で後半45分間プレーした染野に代えて細谷、同じくマリ戦で先発していた山田に代えて平河を投入。おそらく時間配分を考えての起用と思われるが、攻撃の活性化につながった。細谷は1トップながら前線を幅広く動いてポストをこなして攻撃を形作り、右サイドに入った平河は積極的な仕掛けと飛び出しでウクライナ守備陣の脅威になった。

 すると48分、右CKからついにネットを揺らす。荒木が蹴ったボールをニアサイドで関根が触り、後方へフリック。ファーサイドに詰めていた佐藤が押し込み、日本が先制に成功した。

 リードを奪った日本は集中力を高め、ウクライナの攻撃を封じていく。素早い切り換えで相手の攻撃の芽を摘み、ペースを握ったまま時計の針を進めた。67分には荒木に代えて田中をピッチに送った。
 
 その田中が、欲しかった追加点を生み出す。ボックス左からシュートをねじ込み、リードを広げた。先制したマリ戦では2点目をなかなか奪えず、逆転負けを喫することになったが、ウクライナ戦ではしっかりとゴールを奪った。

 その後も選手を代えながら強度とテンポを維持した日本は、最後までゴールを目指す姿勢を示し、そのまま勝ち切った。

 最後まで集中力高く戦って、きっちり勝利を手にしたことはポジティブに受け止めるべきだろう。今回、不参加の欧州組を最終予選に呼ぶことは難しいとされる中、荒木、関根、田中ら国内組が大きくアピールしたことも好材料と言える。

 19日から1週間活動したU23日本代表はこの試合をもって、いったん解散。次に集まるのは、4月15日に開幕する『AFC U23アジアカップ』になる。パリ五輪出場に向けたアジア最終予選だ。今回の活動で手にした収穫と課題を活かし、3・5枠の厳しい出場権をつかみ取りたいところだ。

▼出場メンバー
・U23日本◎GK小久保玲央ブライアン、DF関根大輝、鈴木海音、馬場晴也、大畑歩夢(85分:内野貴史)、MF松木玖生(78分:植中朝日)、藤田譲瑠チマ、荒木遼太郎(67分:田中聡)、FW山田楓喜(46分:平河悠)、染野唯月(46分:細谷真大)、佐藤恵允(78分:小見洋太)


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