Uー23日本代表が25日、Uー23ウクライナ代表と北九州スタジアムで親善試合を戦う。4月に開催されるパリ五輪出場をかけた最終予選前、最後のテストマッチだ。22日のUー23マリ代表では先制しながらも後半に失速して1−3で完敗。課題を修正し、最終予選へ弾みのつく内容を示したいところだ。

上写真=24日、Uー23日本代表は北九州スタジアムで前日練習を行った(写真◎サッカーマガジン)

目を合わせる作業が必要(大岩監督)

 ウクライナ戦のポイントは、ボールを奪った後の振る舞いだ。22日のマリ戦で劣勢を招いた理由として、大岩剛監督はボールを奪った後のプレーを挙げた。

 ただ、ひと口に「奪った後のプレー」と言っても色々とある。送り手のパスの精度なのか、受け手のポジション取りなのか、はたまたパスという選択そのものなのか。何を課題として感じているのか、指揮官に問うた。

「すべてだと思います」

 大岩監督は、判断もプレーの質も足りなかったと指摘した。

「ひとプレー、ひとプレーで色んなミスがあって、そういう部分でお互いが目を合わせるという作業が必要になる。色々なミスが起こり得る中で、それどう改善、修正するかが重要で、そのイメージや意識を合わせていこうという話を選手しています」

 指揮官のそうした考えは、25日のウクライナ戦でキャプテンマークを巻き、ボランチで先発すると予想される藤田譲瑠チマも共有していた。前日練習後に、こう話している。

「前回の試合は(ボールを)奪ったあとの1つ目のパスでミスが多くなってしまって、自分たちの簡単なミスで失点してしまったりしたので。そこは自分を含め、改善して、チームをコントロールできたらなと思います」

 守備から攻撃へ切り替わる際のプレーの質は、試合のリズムに直結しやすい。スムーズにいけば、流れをつかむことにつながる一方でパスが乱れたり、トラップミスを起こしたり、ドリブルをあっさり止められたりすれば、チームに勢いは出ない。マリ戦の後半は、そんなシーンが散見した。

「正直、メンタルの部分も大きかったと思います。自分が中でプレーしていなかったところは分からないですけど、見ていて思ったのは、(ボールを)取ったあとに、なるべく前でプレーしたいというのがあったというか、取られるなら前で取られたいみたいな感じのプレーに見えました。自分は後半、ドリブルで仕掛けるシーンが何回かありましたけど、もっと自信を持ってプレーすれば、もっとコントロールできるシーンは何回かあったかなと思います」

 自陣で奪われたくないから攻め急ぎ、ボールを前に送ろうとしたことでミスが起こった。もっと冷静に自信を持ってプレーすれば、精度が高まりミスも減る。藤田はその点をチームで確認して試合に臨みたいと話した。

 マリ戦はすでにパリ五輪出場を決めている相手のレベルが高かったこともあるが、日本がミスを繰り返し、先制しながら自滅した印象も強かった。藤田が指摘するようにウクライナ戦では「自信を持ってプレー」することが肝要だ。

 同一戦はまた、パリ五輪出場に向けた最終予選前、最後のテストマッチでもある。選手たちにとってはアピールの場であり、個々の持ち味を出すことも重要なテーマ。しかしながら、チームとして機能しなければ、そもそも個性を発揮することはできない。チームの中で、個としてどう輝くかを考えられるかどうかも、重要なポイントになる。

 マリ戦で出た課題を克服し、最終予選に弾みをつけることができるか。注目の試合は25日、北九州スタジアムで19時15分にキックオフされる。


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