日本のメダル獲得はならなかった。8月6日の東京オリンピックサッカー男子3位決定戦。1968年メキシコ・オリンピック以来の銅メダル獲得に挑んだ日本は、そのときと同じ相手のメキシコと戦った。しかし、序盤から立て続けに失点して1-3で敗戦。キャプテンを務めた吉田麻也が試合直後に苦しい胸の内を絞り出した。

上写真=吉田麻也も最後まで戦い抜いたが、かなわず。涙とともに声を震わせ悔しさを口にした(写真◎JMPA)

「それでもやっぱりサッカー人生は続くので」

「胸を張って帰ろう」

 8月6日、東京オリンピックの3位決定戦でメキシコに1-3で敗れて、日本はメダルを手にすることはできなかった。オーバーエイジとして加わり、キャプテンを務めた吉田麻也は試合後にこのチームの「最後の円陣」で仲間たちにそう言った。

 試合については、答えはシンプルだった。

「完敗です………もう、完敗です」

 メキシコは前半からハイテンポで試合を動かしに来た。遠藤航が与えたPKを決められて13分と早々に先制され、自らのファウルで与えたFKから22分に2点目を失った。序盤の9分間で2失点が重くのしかかる。しかも、58分にも右CKから中央でヘッドで押し込まれて0-3。78分に三笘薫が鮮やかな突破から決めて、終盤には何度もチャンスを迎え、吉田も準決勝のスペイン戦同様にパワープレーのために最前線に上がったが、実らなかった。

 試合後のフラッシュインタビューでは、当然のことだが、声を絞り出すのがやっとだった。金メダル獲得を目標として公言し、準決勝では敗れたが、1968年メキシコ・オリンピック以来の銅メダルをかけてこの試合に臨み、ロンドン・オリンピックで同じ3位決定戦で敗れた経験を繰り返したくない強い気持ちをプレーで表現したが、メキシコの前についえた。

「胸を張って帰りたいと思います。これで終わりではないので…それでもやっぱりサッカー人生は続くので…。9月からまたワールドカップの最終予選があります。1人でも多くの選手が食い込むために自分のチームでポジションを奪って、9月の代表で会えるのを楽しみににしていますし、僕自身もパフォーマンスを示して9月からA代表で戦う準備をしたいと思います」

 いまこの瞬間の深い悲しみを抱えながら、未来に目を向ける。A代表でもキャプテンとして戦う責任感が、この悔しさを無駄にすることはないはずだ。


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