上写真=強化試合2試合から五輪本番に向けて、練習を重ねる大迫(写真◎山口高明)
「ずっと目標にしてきた舞台」
2017年12月、東京五輪を目指すチームの立ち上げ当初からメンバーに名を連ねて3年半、いよいよ本番への最終段階に入った。「オーバーエイジも含めてチーム全員で、すごく内容の濃い練習ができている」と語った大迫は、「一人ひとりが緊張感を持ちながらトレーニングできていると感じますが、変に硬くなり過ぎず、良い雰囲気で練習に取り組めている」とチーム内の雰囲気を明かしている。
6月22日のメンバー発表後の会見で「選ばれてホッとしている」と語り、その理由を「最後の(6月の)合宿で自分自身、思うようなプレーができなかったことが一番大きな要因。選ばれる自信は、もちろんないことはなかったですが、不安もあった」と説明している。6月の活動では谷晃生(湘南ベルマーレ)が正GKとみられる起用法で強化試合に出場、初選出の鈴木彩艶(浦和レッズ)も注目を集めており、メンバー入りを確信できなかった。
だが、サンフレッチェ広島に戻って「もう一度、自分の原点に立ち戻るために練習から取り組むことで、良い感覚を自分の中でつかんだ」という。今後の本番に向けた活動では「それを継続してやっていくことを意識している」との思いで、日々の練習に取り組んでいる。
小学生時代にあこがれていたという、川口能活GKコーチから指導を受けている。「最初にあこがれたときはピッチ内(現役)で、すごく熱くて、自分に厳しいというイメージだったのですが、いざこうやって能活さんがコーチになると、すごく優しくて、おおらかな雰囲気だったので、最初に会ったときはギャップを感じた」そうだ。指導者と選手という立場にあり、「自分の経験を生かした、自分の感覚も含めた細かい指導は、すごく良い参考になる。試合でポゼッションにかかわっていくので、ポジション取りは細かく指導されることが多い」という。
7月12日にU-24ホンジュラス代表、17日にU-24スペイン代表と対戦する強化試合を「オリンピックの本番に向けて、自分の力を試す意味でも、自分をアピールする意味でも、チャンスの2試合。しっかり自分の力を示していければ」と位置付けている。その後の本番へ思いを「ずっと目標にしてきた舞台。自国開催ということで、国民の期待も大きいと思いますが、そういったものも自分たちの力に変えて金メダルを取れるように、まずはグループリーグ突破から、チームとして戦っていきたい」と語り、金メダルの自信は、との問いには「あります」ときっぱり答えた。