上写真=U-24ガーナ代表戦では出場機会のなかった菅原由勢(写真◎JMPA増田泰久)
「いつか名古屋のユニフォームを一緒に」
東京五輪のメンバー入りを目指す最後のアピール合戦が始まる。大会に臨むメンバー発表前のラストマッチとなるジャマイカ(A代表)との一戦で、20歳の菅原由勢も「めちゃくちゃ燃えています」と闘志を燃やしている。
ただでさえ、選手にとっては東京五輪に向けた重要な一戦となるが、菅原には特別な思いもある。かつてのホームスタジアムでもある豊田スタジアムで試合が行なわれるからだ。「僕はこのスタジアムのゴール裏で、サポーターとしてグランパスを応援していた。成長して、自分がピッチに立てるようにもなった。名古屋グランパスの所属選手として使っていたスタジアムで、日本代表のユニフォームを着てプレーできるのはすごく光栄なこと」と目を輝かせる。
菅原が「サッカーにおいても、人生においても大先輩」と話す名古屋アカデミー出身の吉田麻也がオーバーエイジとしてU-24日本代表に加わったことも大きい。菅原は、吉田から「名古屋に戻りたいの?」と声をかけられたことを明かし、「ワールドカップに出て、ビッグな選手になっても、名古屋のことを気にかけている。僕自身もアカデミー出身の選手としてうれしかった。いつか名古屋のユニフォームを一緒に着られるチャンスがあれば」と新たな夢を抱く。
その前に、まずはU-24日本代表の選手として、豊田スタジアムで素晴らしいプレーを披露する。すべては東京五輪で先輩・吉田とともに日本に金メダルをもたらすために――。名古屋で育ったプライドを胸に、菅原由勢が日の丸を背負ってサイドを駆け上がる。