U-24日本代表のGK争いはし烈だが、昨年末の候補合宿に続いて今回も沖悠哉はメンバーに選ばれた。ライバルたちとの競争の中で刺激を受け、自身の現在地も確認。さらなる高みを目指してトレーニングに励んでいる。

上写真=川口能活GKコーチの指導のもと、集中してトレーニングする沖悠哉(写真◎サッカーマガジン)

責任ある行動と言動を

 昨年末、東京五輪代表の候補合宿に参加し、沖自身の中で芽生えた感情がある。

「代表のエンブレムを付けて活動することに、特別な意義を感じましたし、責任のある行動、言動をしないといけないと思いました」

 ありていに言えば、日の丸の重みだ。ただ、はたで見るのと実際に背負うのではやはり大きく違う。

「国内組だけでしたけど、レベルは高いし、プロに入って同世代で集まるのは初めてのことだったので、こんなにうまい選手がたくさんいるんだって刺激をもらいました。その中で自分はもっともっとアピールしてやらないといけないと思えたので、有意義な期間だったと思います」

 刺激を受け、自分が取り組むべきことを整理した。何をすべきかをはっきり確認できたという意味で、やはり年末の、あの5日間の合宿は大きかった。

「昨年末の合宿で森保さん、横内さん、GKコーチの川口能活さんから直接、ビルドアップのことは言われています。そういうところを目指しているのは分かっていますけど、まずはGKとして大事なのはゴールを守ることなので、同世代の大迫(敬介)だったり、谷(晃生)だったりと比べると、そこは落ちるのかなって思います。ただ自分がどう取り組んでいくかが大事だと思っているので、そんなに悲観的にならずに、できることを精一杯やっていければ、と思っています」

 足元の技術には定評があるが、やはりGKの本分はシュートストップだ。シーズン前のキャンプ、そして開幕を迎えても、その技術向上に取り組んできた。そしてあれから3カ月を経て、再びチャンスはやって来た。コロナ禍で代表活動できることに感謝したうえで、沖は言う。

「代表に選ばれたことは非常にうれしく思いますし、チームでの充実具合によって選考されたのかなと思います」

 成果を実感しつつ、今回の合宿では、再び刺激を受けながら自分を磨いている。

「小さいころからテレビだったり、試合を見に行って日本代表でプレーしたいというのはずっと思っていた。アンダーカテゴリーに来ていますけど、まずはこの代表でアピールして試合に出ることが今の目標なので、練習からアピールしていけたらなと思います」

 アルゼンチン戦との2連戦を、どんな思いをもって、どんなスタンスで迎えるつもりなのか。

「GKのポジションとしては、なめられちゃいけないというのが大前提。ゴールを守る、シュートを止めるっていうのはもちろん、接触のときにどういった態度を取るのか、チームメイトにどういった表情で、どういった言葉を掛けるのか。そこは今年、自分にとっての課題でもあるので、ぜひ見てもらえれば」

 成長の証を示したいと沖は言った。そしてーー。

「それから自分の得意なキック、ビルドアップはそれ以上に見てもらえたら」

 言うなれば、GKとしてのすべてを見てほしい。総合力の高いGKを目指す、沖らしい。


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