22日から始まった『U-23日本代表候補トレーニングキャンプ』の最終日、26日に代表候補は関東大学選抜との練習試合に臨んだ。追加招集で参加した森下龍矢(鳥栖)は、1本目に登場。持ち味を示し、試合後には今回の合宿の収穫について語った。

最初の練習で鼻をへし折られた

「率直な感想を言うと、Jリーグで手応えがあったので、普通にやれるんじゃないかと思っていました。良い意味で自信を持って入ったけど、最初の練習で鼻をへし折られたというか、本当にみんな強度が高かったので、全然プレーできないと思った。でも、3、4日で自分自身成長できて、最後の試合でこういうふうに、結果には残らなかったけど、チームの一員として勝利に貢献できたのは、良い意味で成長できたと思う」

 森下にとって、今回の候補合宿は濃密だった。今季のJリーグで活躍した同世代の選手たちのレベルを改めて知ることになり、自分の立ち位置を知ることができた。その意味は大きい。

 26日の練習試合後、オンライン取材に応じた本人に、出鼻のくじかれた、その理由を聞いた。

「練習のミニゲームで前田大然選手とマッチアップする回数が多かったんですけど、彼のプレッシングのスピードが速いので。それに対して、どういうポジショニングからどういう持ち出しをすればいいかみたいのは、合宿を通してものすごく考えたし、逆に自分がドリブルするのではなく、ワンツーで誰かを使いながらはがしていくというのも一つ策として、必要なんじゃないかなと思って。合宿中に試行錯誤しながらプレーしました」

 この日、関東大学選抜との試合では、1本目に登場し、4-2-3-1の右サイドバックを務めた森下はその片鱗を見せた。相手のプレスをいなすべく、トップ下の渡辺皓太やボランチの金子大毅との連係しつつ、頻繁に内側に入って森下が進路を空ける右サイドハーフの金子拓郎を使って突破を図る場面が見られた。トレーニングで意識したプレーにトライしていた。

「今日の試合はゴール以外は本当にいいところが出たので、僕がやっていることとか、課題として取り組んでいるものは間違いないと思うので、守備でインテンシティ高くやって、攻撃では相手のプレスをかいくぐってゴールとかシュートまで持っていくという、本当に単純だけど、それだけを意識して五輪まで臨みたいと思います」

 合宿中には、森保一監督とも会話する機会が持てたという。

「横内さんとは練習の中でもっとこういうふうに、とアドバイスを頂いたり、逆に横内さんがメインとしてやってくれてたので、森保監督とは練習中に話すことはあまりなかったでうが、ピッチを離れたときに個人面談みたいな感じで話して、『Jリーグを今季見ていて、クロスのところでしっかり味方に合わせてゴールを奪う部分が森下の課題なんじゃないか』とご提言いただきました。まさしくその通りで、僕自身も最後の部分、ゴールやクロスに物足りなさを感じていたので、自分は、客観的に課題を捉えられているんだと確認できました。森保さんと話して改めて分かったというか、一つ課題を見つけるというところは、自信を持てたのでよかったと思う」

 この日の練習試合でもカットインからゴールを狙うも、惜しくも枠をとらえられなかった。今季、自分で課題として認識していた点について森保監督に指摘され、冷静に自分を見ることができていると確認できたと話す。それはつまり、進む道に間違いがないということ。その道の先に、東京五輪があれば、なおよし。本人に東京五輪までの道筋は見えたのか、と聞いた。

「今回の合宿で見えたというか、自分が取り組まないといけないものはしっかり見えたので、良い合宿になりました」

 今回の合宿は森下にとって、決意を固め、覚悟を決めた5日間になった。本大会まで残り7カ月。残された時間は多くない。本大会のメンバーに入るには、来季のスタートから速度を上げて道を進むことが必要だ。束の間のオフを挟んで、森下はシーズン開幕に備える。


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