東京五輪世代の国内組による『U-23日本代表候補トレーニングキャンプ』は4日目を終えた。久々の代表活動となったGKの波多野豪は、持てる力をすべて出すべく、日々の練習に取り組み、アピールを続けた。

上写真=ダイナミックなプレーと大きな声で練習でも存在感を示した波多野豪(写真◎サッカーマガジン)

とにかく生き残る

 トレーニング中、ひと際大きな声を出し、仲間に指示を送る姿が目を引く。波多野にとっては、2019年6月のトゥーロン国際大会以来の代表活動。招集されていない時期は「めちゃくちゃ悔しかった」という。それだけに今回の活動にかける思いは人一倍強い。

 2020年シーズンは所属するFC東京で出場機会を得て、成長を遂げた。自分自身でも「無失点に抑える試合も増えて、とても自信になった。ACLでも良いところもたくさん出たと思う。そうやって自信がついたところで、代表活動に参加できた」と話す。そのうえで「とにかく、まだまだ生き残るというか、俺を選んでくれという強い気持ちを持ってアピールしていきたい」と、同世代のライバルに対しても自分の特長をしっかり出して、競争を勝ち抜くつもりだ。

「(同世代の台頭は)やっぱり気合いが入るし、負けていられない。もちろん、こう思っているのは僕だけではないので、常に高い意識で、高いモチベーションでプレーして、みんなを焦らせたいと思う。(今回のメンバーにも)刺激は受けるし、負けていられない。まずは自分のことに集中してというのを、この合宿では心掛けている。とにかく自分を出していかないと、この先に生き残っていけない。悔いないように自分を出し切りたい」

 波多野ほかに今回の合宿には大迫敬介、沖悠哉という二人のGKが招集されているが、互いに刺激し合ういい関係が築けているという。「止めるところは止めていると思うし、コミュニケーションも取れていると思うので、感触的にはいい。自分を出せているのかなと思う」と、競争の中でもしっかり自分をアピールできていると波多野は話した。

 FC東京で試合に出られず、代表入りを「アピールする場なかった」時期には悔しさを味わっていたが、「世界を意識して」体づくりに励み、強みだと自認するクロス対応やシュートストップに磨きをかけた。そのことが出場機会の獲得につながり、代表活動にもつながった。

 今回の合宿では川口能活コーチの指導を受け、「技術のところやポジショニングだったり、ゴールキックやリスタートを早くする」といった課題を確認。「癖で先に倒れることも普段のシュート練習で多々見られるので、そういうところを直せば、相手が外してくれると。シュートを外させることもGKの一つの実力だと言われたので、先に動かない、ボールを見てから動くとか、当たり前のことだけど、改めて言われて気付けた」と、基本を見直すこともできた。

「22年間東京に住んでいて、たくさんの人に絶対に出てくれと期待してもらっている。その期待に応えたいし、日本の代表として五輪に絶対に出たいと小さい頃から思っていたので、そこに賭ける思いは一番強く思って、ここから7カ月は挑みたいと思う」
 

 東京生まれ東京育ちで今、FC東京のゴールを守る。東京五輪でもゴールを守りたいーー強い思いを胸に、波多野はメンバー入りを目指す。


This article is a sponsored article by
''.