サッカー日本代表は現地14日、北中米ワールドカップの初戦でオランダ代表と対戦。2度リードを許すも終盤にコーナーキックから伊東純也→小川航基→鎌田大地で追いつき、勝ち点1をもぎ取った。

上写真=後半途中からピッチに立つと、日本の攻撃を活性化し、同点ゴールをアシストした伊東純也(写真◎JMPA毛受亮介)

「純也くんのボールが良くて」「小川はあそこから決めるのが得意」

 試合終了まであとわずか。87分に1点を追う日本は敵陣で右CKの機会を得た。キッカーを務めるのは、66分に前田大然に代わってピッチに入った伊東純也だ。

 伊東は右足でゴールから遠ざかる軌道のボールを送った。

「1本目、2本目と蹴ったときに、真ん中とかファーだとあまり合わないと思ったので。ちょっとマイナス気味に小川が見えていたから、そこへ落としたらいい形で合わせてくれて。結局、(鎌田)大地のゴールだったんですけど(笑)。チームの勝ち点に貢献できて良かったと思います」

 狙い通りのキックだったと、伊東は事もなげに振り返った。そして、そのボールに反応して鋭いヘディングシュートを放った小川航基も、確かな手応えを口にした。

「純也くんのボールが本当に良くて。(相手の)ゾーン(の守り方)を見たときに、やっぱり高くてもあそこしかないな、あそこからしかゴールは生まれなさそうだなってところに走り込んだんです。純也くんもそれを分かっていてくれた。本当に意思疎通ができた素晴らしいゴールだったと思います」

 日本屈指のプレースキッカーだった名波浩コーチは、昔から「蹴り手7割」を持論としていた。キッカーが送るボールの質が良ければ、それだけゴールにつながる確率は高まる。ただ、その確率を10割に近づけるには、やはり受け手のスキルも無視できなかった。小川は胸を張って強調した。

「本当に良いキッカーがいますし、そのボールの質を僕自身がわかっていました。練習からそこを理解しようとしてきたし、その積み重ねが今日、結果につながったんだと思います」

 5月31日に行われたアイスランドとのテストマッチに続き、2戦連続で重要な一撃を放った。記録上は、ボールの軌道上にいた鎌田大地が触ってネットを揺らしたために鎌田のゴールとなったが、小川の貢献度が極めて高いことに疑いの余地はない。

 現在の代表チームにおいて、とりわけセットプレーの局面で、ボールを捉える「当て勘」に最も優れているのが小川だった。日頃のトレーニングの中でも、小川、谷口彰悟、渡辺剛の3人が見せる感覚は特筆もので、中でも小川はボールに飛び込むタイミング、横からのクロスを捉えるスキルが群を抜いていた。そのことについて水を向けると、自信に満ちた言葉が返ってきた。

「そこはもう絶対の自信を持っているし、自分のストロングだと思っています」

 そんなストライカーの特長を、キッカーである伊東も十分に把握していた。

「シンプルに上げるだけじゃダメだったので、あそこにマイナス気味の、少し速くて落ちるボールを蹴りました。小川はあそこから決めるのが得意だし、やっぱりクロスに入ってくるタイミングだったり、合わせ方がうまい選手。そういうところで上手く合わせられれば、と思っていました」

 蹴り手と受け手の特長が響き合ったゴールは、日本を敗戦の危機から救い出した。愚直に磨いてきた武器が、大会の行方を占う一戦で結果につながった。

取材◎佐藤景【現地】

画像: チームを救うゴールにつながるヘディングシュートを放った小川航基(写真◎JMPA毛受亮介)

チームを救うゴールにつながるヘディングシュートを放った小川航基(写真◎JMPA毛受亮介)


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