上写真=世界でも指折りのタレント軍団と言われるイングランド代表(写真◎Getty Images)
キャンプをほぼ2つに分けた意図
W杯本大会に向けた準備の方法はチームによって千差万別だ。イングランド代表の場合は、北中米ワールドカップ前最後の活動になる3月シリーズを本番仕様のテストとメンバーの絞り込みを両立しようとしている。
トーマス・トゥヘル監督はウルグアイ代表と日本代表との連戦に向けて、負荷管理と選考評価のため「キャンプをほぼ2つに分ける」と明言し、まず35人の選手を招集した。代表チームとしては異例の大量招集だ。
キャンプ開始までにエベレチ・エゼとジャレル・クアンサーが負傷のため招集を辞退し、ハーヴィー・バーンズとベン・ホワイトが追加招集されたものの、全体の人数に変更はなく代表活動が始まった。
ウルグアイ戦に向けた準備の段階ではGK4人とフィールドプレーヤー19人がチーム練習に参加し、ハリー・ケインをはじめ所属クラブで過密日程をこなしてきた残りの12人には休養が与えられた。そして、3月27日に行われたウルグアイ戦では、GKジェームズ・トラッフォードとジェームズ・ガーナーが代表デビューを飾っている。
トゥヘル監督の起用法や休養を与えられた選手の顔ぶれを見ると、ウルグアイ戦ではW杯に向けて当落線上の選手たちに“最終オーディション”のチャンスが与えられたと考えられる。そこでふるいにかけたうえで、“合格”となった選手を主力に混ぜて日本戦に臨む。これが当初のプランだったのだろう。
では、ここでウルグアイ戦を欠場していた選手をリストアップしてみる。
・GK:ディーン・ヘンダーソン
・DF:ニコ・オライリー、エズリ・コンサ、マーク・グエイ、ダン・バーン
・MF:エリオット・アンダーソン、モーガン・ロジャース、ジュード・ベリンガム、デクラン・ライス
・FW:アンソニー・ゴードン、ハリー・ケイン、ブカヨ・サカ
彼らは所属クラブでの活躍が目覚ましく、北中米W杯の欧州予選でも中軸として多くの試合に起用されていたという共通点を持つ。W杯本大会に向けてもメンバー入り“当確”と言っていい立ち位置にいるはずだ。
だが、全てがトゥヘル監督の想定通りにいくわけではない。ウルグアイ戦では負傷者が相次ぎ、トレーニング中にもコンディションに懸念のある選手が出てきた。ウェンブリー・スタジアムでウルグアイと1-1で引き分けた後には8選手の離脱とクラブへの帰還が発表され、35人だったチームは27人になって日本戦に向けた準備を進めていくことに。
チームを離れた8人の中にはアーロン・ラムズデールやフィカヨ・トモリ、ドミニク・カルバート=ルーウィンのように立場の危うい選手だけでなく、サカやライスといったウルグアイ戦を欠場していた主力級の選手も含まれていた。ウルグアイ戦で負傷したアダム・ウォートンやノニ・マドゥエケ、コンディション不良のジョン・ストーンズもそれぞれの所属クラブへ戻ることとなっている。
負傷者の発生によってラッキーな形で再びアピールのチャンスをつかめる選手も出てくるだろう。27人のリストに残りながらフィル・フォーデンのように故障を抱えた者もいる。とはいえ、日本戦はケインやゴードン、アンダーソンら休養十分な選手で“ガチ”のチームを構成してくるのはほぼ間違いない。イングランド代表にとって、この試合の重要性はウルグアイ戦よりも高いようだ。
